身体の零度 何が近代を成立させたか

身体の零度 何が近代を成立させたか

1,980円 (税込)

9pt

3.4

纏足(てんそく)やコルセットのような不自然な風習を、なぜ私たちは続けてきたのだろうか。〈私〉をつくりだす源に、何があるのだろうか。謎はみなひとつのところから流れでている――。本書は、東西の豊富な文献を駆使して、泣きかた・笑いかた・行進・舞踊など人間の表情や動作に立ちむかう。そして、身体へのまなざしの変容こそが、近代の起点であることをあざやかに検証する。社会史・思想史のなかに、身体を位置づけた力作。(講談社選書メチエ)

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身体の零度 何が近代を成立させたか のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

     高校の教科書にも乗せられたかもしれない。この国の近代社会の成立を「身体」という視点から解きほぐそうとした、ポストモダンが流行っていたそのころ、もう一度近代を見直そうという画期的な仕事だと、印象深く覚えている。ここから、三浦のダンス、舞踏への執着が始まるのかな?

    0
    2019年02月12日

    Posted by ブクログ

     人間の身体とはなんであろうか。それは近代においては、とりもなおさず、「裸で何も塗らず、形を変えず、飾らない人間の身体」を意味する。これを著者は身体の零度という。しかしながら、このような身体は「きわめて後世の一般的ではない文化的成果」の結晶なのである。
     なぜか。初期の人間は身体を素材とし改良するこ

    0
    2011年01月21日

    Posted by ブクログ

    身体の変容から近代化を語る。

    特に興味深かったのは「表情」の章。
    泣きや笑いというのはそもそも社会から求められているものであり、個人のものではなかったという話。パールバックの「大地」からの引用も面白かった。

    0
    2010年03月02日

    Posted by ブクログ

    ー 身体が過剰な意味の場所でなくなったのはつい最近のことなのだ。人はタブラ・ラサの状態で生まれてくるが、生まれてきたその場所は濃密な意味の磁場なのである。人はほとんど生まれてきたその瞬間に強力な意味の磁力を浴びせられる。その社会の言葉によって、表情によって、仕草によって染めあげられるのである。

    0
    2024年04月16日

    Posted by ブクログ

    1. 「身体の零度」を読む
    衣服は寒さを防ぐために発明されたものではない、
    刺青と同じく機能を持った装飾が起源だというのだ。
    だから、衣服は衣装なのだ。
    装飾であった衣装が寒さを防ぐ機能的な衣服となったのは近代になってからなのだ。

    軍隊は、武器が必要だ。
    軍隊が、産業を推進することは今も昔も変わり

    0
    2023年08月18日

    Posted by ブクログ

    身体の動きや認識・感覚を考えることで人類が生存してきた歴史における近代化・文明そして民族性などを省察する論考である。部分部分は面白く意表をつき納得できるが、読み終わって全体としては「はて、何を言いたかったのかな」という感じである。
    「身体の零度」という言葉自体、あくまでも作者の思考のなかでの概念であ

    0
    2023年05月18日

    Posted by ブクログ

    近代化を「身体」を軸に。

    農耕的か遊牧的かで舞踏が違う話が面白かった。
    全体としては、どこかで聞いた事のあるものが多かったが
    (ナンバとか、軍隊とか工場とか体育とか)
    その流れをまとまったものとして読めたのは良かった。

    0
    2009年10月04日

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