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「日本精神分析」というエッセイは、日本の文化に関する考察である。私はいつも、日本人の経験を、自民族中心主義に陥ることなく、普遍的に意味をもつようなかたちで提示したいと思っていた。しかし、ある意味で、本書のエッセイはすべて、そのような姿勢で書かれている、といえる。ゆえに、本のタイトルを「日本精神分析」としたのである。――〈「学術文庫版へのあとがき」より〉 (講談社学術文庫)
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Posted by ブクログ
柄谷 行人 ってなんか読まず嫌いだった。むつかしそうだし。 でも、これは面白いです。それに反骨です。 日本には民主主義なんて存在しない、ということが、わかってしまって恐ろしい本でもあります。 国家とは、言葉とは、自己とは、権力とは、民主主義とは、と、少しでも考えたことのあるすべての人におすすめでき...続きを読むます。 理想的な社会をつくるには、どうしたらよいかを考えるための参考書でもあります。
柄谷さん初めて読みました。エッセイや講演集なので奥行きはそれなりなんですが、ラディカルな話がたくさんあった。 ・言語と国家(ネーションについて) ・日本精神分析(芥川や言語を題材に、ナショナリズムや対外性について) ・入れ札と籤引き(菊池寛の作品から、選挙制度について) ・市民通貨の小さな王国(谷...続きを読む崎潤一郎の小さな王国から、資本と経済の在り方について) の四章。 心に残ったのは カナや文字は外来だし、今もそう認識されているが、ヨーロッパなどはキリスト教は外来でも自国のものとして染まっている。 日本は借り物で構成されているのではなく、他国の文化に去勢されるのを拒否してきた。 現在の選挙制では、秘密な分責任も曖昧で、買収や利権関係も起こる。 選挙+抽選の提案。 資本よる搾取や、プルードン、リカード、マルクスへの見解を並べた上で、家族や古来の共同体にある互酬性、倫理を内包出来る非市場的な性質を持ちつつも、市場を維持(揚棄と言っていますが)出来るものとして、地域通貨を提案。 などでした。 現在の選挙制や資本の批判はいくらでも聞くのですが、右左に頼る事無く、しかも具体的なレベルで提案してくる(流行の新書の様な押し付けもなく)所や、地に足のついた考え方にはとても感心しました。
最近はまっている、というか自分の頭で考えても進むべき未来はこの方向ということをある人にいったら、進めてもらった著者柄谷行人の著作本。確かに近い思想をもっていることを感じさせる。この本は文学評論という形でやはり未来を見据えたひとつの視点を提示してくれている。実家へ
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