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日本の反原発運動は、毛沢東理論の「誤読」による近代科学批判が大きな転機となった。それが「1968年」を媒介にニューエイジ・サイエンスやエコロジーと結びつき、工作舎や「宝島文化」を背景にしたサブカルチャーの浸透によって次第に大衆的な基盤をもつようになったのである。複雑に交差する反核運動や「原子力の平和利用」などの論点から戦後の思想と運動を俯瞰し、「後退りしながら未来へ進む」道筋を考える。
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Posted by ブクログ
反原発の思想史: 冷戦からフクシマへ (筑摩選書) (和書)2012年04月13日 14:56 スガ 秀実 筑摩書房 2012年2月13日 すがひでみさんの新作と言うことで興味を持っていたのです。 面白い内容でした。毛沢東の誤読の意味がよく解らなかった?そこはあんまり興味を惹かれなかったからい...続きを読むいかと思った。 アナーキズムについて非常に分かり易く明確に指摘されていて参考になった。 アナーキズムにおけるクロポトキンの相互扶助について、アナーキズムにも右派と左派があるのですね。権藤成卿という右派のアナーキズムの社稷というものそれは天皇を中心とする相互扶助であるらしい。左派のアナーキズムというのは遊動性(自由)がそれに加わったものであるように思える。これは柄谷さんの自由であることが平等であり平等であることが自由であるという関係という無支配(no rule)の指摘である。 兎に角、アナーキズムについて相互扶助と資本主義に対抗する運動という二つの側面がどう可能なのか?それは右派のアナーキズムを左派のアナーキズムに導くことによってあり得るようにも感じる。アナルコキャピタリズム(資本主義)とアナルココミュニズム(左派アナーキズム)などいろいろあると思うが、この本が非常に分かり易くよかったので入門編としてとても良かった。
これは労作だと思います。反原発の思想的背景を再確認することで、現在の脱原発デモに対する違和感の所在がより明確になった気がする。
原発関連の本を読むと、何回もこの本が引用、紹介されていて、読まないわけにはいかない本だった。 難しいのではないかと思ったが、私なりに面白く読めた。2冊続けて、反原発の流れを書いた本を読んだからかもしれない。 どれだけ理解できたか怪しいのだが、最も目を開かされたことを書いておきたい。 脱原発と新自由...続きを読む主義は共犯の関係にある、という指摘だ。私以外の人には自明のことなのかもしれないが、そこまで考えたことはなかった。 日本で原発の増設が難しくなったからといって、これから発展しようとしている国に売りつけないでほしい、よくも自分の国で売れないものをよその国に売るよなあ、お願いだからやめてほしいと思っていた。 あれ、またわからなくなってしまった。 反新自由主義でいくなら、製造業を国内に残し、すると電力がいるから、原発がいるってこと? そうなのか? 第2次産業には原発は必要ってこと? 第2次産業と原発はセットなの? 物を製造する以上、地球上から原発をなくすということは不可能なのか? そう決まっているのか? 原発の代わりのクリーンエネルギーの会社も、ベンチャー企業で、それもまた新自由主義ならでは、みたいなことも書いてあったな。 もともとアホな上に、勉強不足でちょっとよくわからない。もっと勉強しなくちゃ。
読書会の課題本だったので読みました。(読書会は不参加) 想像していた内容と全く違っていて驚きました。 そして読むのがすごく辛かったです。 原発の思想史というよりかは、日本における左派の活動記録みたいな。 正直生まれる前の話が殆どだし、筆者も左翼運動をまったく知らない人向けに書いているわけではなさ...続きを読むそうなのですごく疲れた。 ただ、なぜ反原発運動が「ヒダリ」と親和性が高かったのか、なぜ今「ミギ」からの原発運動が起きていることが稀有な目で見られているのか、そこいらへんがなんとなくわかったから☆3つけましょう。
原子力発電所は太陽電池と発電コストはあまり変わらない。あるいは、事故時のリスクが大きいので作るべきではない。という考え方は、原発を否定する考え方として筋が悪いのではないか、ということを反原発運動にかかわる人たちの思想的な出自を分析することで説明していこうとした本、だと読んだ。 じゃあ反原発の根拠と...続きを読むしてどういうものが正しいのかということは書かれていない。私には読み取れなかった。 これまで、テクノロジーの導入に積極的な(原発推進派の)環境活動家はアメリカから来ていて、どちらかというと昔の生活に戻りましょうという感じの(原発反対派的) 環境活動家はヨーロッパから来ているものだと思い込んでいた。この本では、実は反原発の思想的な背景もアメリカから来ているということが書かれていた。そうなんだ。
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反原発の思想史 ──冷戦からフクシマへ
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すが秀実(「スガ」は糸へんに圭)
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