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《ああ、とじて、とじて、新聞の目を》1914年7月、世界大戦の始まりを21歳の青年詩人は興奮して受け入れる。俄然立ちはだかる戦争の恐怖に対し、この目で確かめるべく義勇兵に志願するも、思想穏健を欠くという理由で不採用。やがて銃後のけがらわしさと殺戮の報道にうんざりした詩人は『戦争と世界』を書き上げる。戦中の1915年に書き始め、翌1916年に完成しながらも、当局の検閲で、革命による帝政ロシア崩壊まで世に出ることのなかったマヤコフスキーの第三長詩。
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Posted by ブクログ
マヤコフスキー叢書4冊目にして、翻訳家・小笠原豊樹氏の生前最後に刊行された訳詩集。 全部で5部に分かれた長篇詩で、内容はタイトルのとおり「戦争と世界」について。詩人マヤコフスキーの頭の中で繰り広げられる第一次世界大戦と、世界の和解。詩を書いた当時、この強気な若者はまだ22歳。才気溢れ熱滾る詩人は、...続きを読む自分自身の大きさを世界と同じ位に捉えていたようだ。太陽、地球、俺、ぐらいに。だから彼は、戦争の痛みを自分一人で背負っている。 “ 大きな目で地球を見はるかす/男が一人。/男は成長し、/頭は山の高さに達した。/男の子は/新しい衣装を、/自分の自由という衣装を身にまとい/勿体ぶって、/プライドの高さは少々滑稽なくらい。 ” 全篇に渡って素晴らしい比喩が踊り、暗く悲惨な戦争の場面は、まるでスペクタキュラーな舞台のようでもある。詩の断片を舞台の台詞を諳んじる様に口ずさんでみると、その言葉の力の強さに恍惚となる。この詩人に、この本に魅了されてしまうのは、まるでマヤコフスキーが最初から日本語で書いたのではないかと思ってしまうほどの翻訳をされた小笠原氏の力なのかもしれない。氏のご冥福を心よりお祈りするとともに、シリーズの続刊を熱望している。
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マヤコフスキー
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