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国道沿いのラブホテルのネオンだけが夜を照らす村を、自転車で爆走する高校生の田上。ある晩ラブホ帰りの同級生、野口と遭遇した。足が不自由な彼女は“復讐”のため、村中の男と寝るという。田上は協力を申し出るが……。出会い系、不倫、家庭崩壊、諦めながら見る将来の夢。地方に生まれた全ての人が、そこを出る理由も、出ない理由も持っている。光を探して必死にもがく、青春疾走群像劇。(解説・重松清)
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Posted by ブクログ
今住んでいる田舎から逃げたい……でもそれは負ける事 誰とでも寝る同級生の野口とセックスしたい田上 右足が生まれつき悪くこの田舎の全ての男と寝ると豪語する野口 高校のうだつのあがらない教師秀雄 その秀雄と不倫をする同僚教師妙子 それぞれが今住んでる田舎に対して不満をもらす。 「この田舎から逃げたい」...続きを読むと 表紙のイラストが綺麗だったので中身を確認せずに購入 内容はあまり期待していなかったのですが面白かった。 関わっていく人間が順番に描かれています。 教師同士の不倫の話が入り込みましたが最後、何故か寂しい気持ちになりました。
凄かった。 大して不幸でもないのに不自由しか感じない、そんな作者の言葉が的確にこの小説の描く窮屈さや息苦しさを表現していると思います。 野口という誰とでも体の関係を結んでしまう、ヤリマン女子高生。クラスメイトと関係を結ばずひたすら爆音をイヤホンからながす男子高校生。 その物語から派生して、脇役だと思...続きを読むっていたクラスメイトや担任の物語が展開される。いわゆる群像劇になっています。 窪美澄さんが好きというだけあって、心情表現のこまやかさも、読者を惹きつける展開も、窪さんのそれを彷彿とさせるものがあります。 二十代で中年の男女の心情にリアリティをもたらす筆致は見事。 どんな登場人物も自分とは違うのに同調してしまったし、彼や彼女がそこに至るまでの感情の流れや、自分を抑えきれないほどのハジけるような感覚の描写が素晴らしかった。 どの短編も読み始めてどうしてこんなにくすぶってるのか、理解できないまま読み進める。 それが次第に明かされるストーリーや、不可解ながらつながっていく人間関係、自分自身のことでも思った通りにはできないもどかしさ、それらを通して、その人物の気持ちが伝わってくる。 村というものに捕らえらて生きている彼らの物語に、終盤では清々しさが加わる。 なにも解決したわけじゃないのに、本当に自分で選んだことがあるとこんなにも気持ちが変わるのかなと思いました。 こういう小説は息苦しさだけで終わることも多い中、それだけではないものが、読後で得られました。
田舎で暮らす人々の鬱屈した気持ちやそこから逃れようと渇望する姿を描いた短編連作。 明るい未来が描かれるような話はなく、どうしようもなく暗い結末の話が多い。それでもなぜか希望を感じてしまう。 高校生の話もいいが、個人的には教師である2人の話がよかった。人には受け入れてもらえる異性がどれだけ必要か、そん...続きを読むなことを考えさせられる。
国道沿いだけが夜でも明るい田舎町の男女の連作集。 そこに住む人達の田舎町という意識が醸し出す閉塞感がずっと漂うストーリー。 皆が現状に満足せず、だからと言って未来に夢を持っているわけでもなく、そのため、若者が中心の話なのに爽快感はひとつも感じられません。 それぞれに事情があり、それぞれがその事情ゆ...続きを読むえ鬱屈としたものを抱えている。 でも、そこに興味が湧き、読む手を止めることは出来ませんでした。 田舎、ふるさとが、懐かしく良いイメージの場所になるのには、先の人生によるものなのでしょうか。 興味深い作品でした。
こういう、いろんな視点からもっていくタイプが好きなのでとても読んでいて楽しかった。 惡の華という漫画が好きで、かぶるところがあって ぐいぐい読み進められたが、時の進行が急に戻ったりするので片手間に読むのは難しいと感じた。
田舎の閉鎖的なコミュニティそこから生まれる鬱屈とした感情はきっと私たちも抱いたことのある感情だ。 マジョリティが正しい価値観として認識される世界から一歩抜け出して負け犬だと言われても私はきっと傷つかない。
読み終わりました。登場人物たちは、水の渦の様にぐるぐると駆け巡り、それを下から見ていたら貧血おこしてぶっ倒れたって感じ
きっと、この人たちが都会にいれば埋もれてしまうような行為も、狭い狭い田舎だからこそクローズアップされ、一人ひとりが絡み合った話になるのかな… 田舎の生活に憧れる、なんて口にしたことがあったけど、場所よりも自分自身の心が大切なのかもしれない。
閉塞感にページを繰る手がちょっと止まった。なんて息苦しいんだろう。 自分が感じている閉塞感に通じていて、本当に苦しかった。
またよしさんが表紙の作品は当たりが多いので読んでみた。 田舎の独特の閉塞感。わたしは生まれてからずっとそこそこの都会に住み続けているので、わかる!っていうのは少なかったが、たぶんうんざりするほどのリアリティなんだろうな。青春って書いてあるのに何故かおじさんおばさんの話が多かったので星3つ。 『学校の...続きを読む青空』的などんより感が好きな人は合うかも。 まだまだ文体が青いなって印象があったので、次回作にも期待。
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