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スマートフォン、ソーシャルメディア、VR、そしてロボット……。あなたの心を満たすテクノロジーこそが、あなたから「人間らしさ」を奪っていく。TEDの再生回数350万回超のMIT人気教授が語る、テクノロジーが人間関係に及ぼす「今そこにある危機」とは? 全世界に影響を与えた大ベストセラー、ついに邦訳。
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Posted by ブクログ
【目次】 はじめに テクノロジーと人間の関係が変わる コンピュータの時代の精神分析 変わる人間とコンピュータの関係 ネットワークとロボットの進化 深い会話から生まれた民族誌 協力してくれた方々への感謝 未来を生きる娘への手紙として 序章 つながっているのに孤独 人間関係の代用品となったテクノ...続きを読むロジー 私たちは現状に満足しているのだろうか 「ロボットを使えばよかったのに」 ロボットとの愛とセックス 私たちはロボットに親密な関係を求めるのか? 恋人よりも息子よりも ロボット化の時代 変わる人間関係とアイデンティティ つながっているのに一人ぼっち 接続とそれへの不満 生まれつつある新しい「自己」の問題 大切なものは何かを考える2つの物語 PARTⅠ ロボット化の時代 ── 孤独の中の新たな親密さ 第1章 いちばん近くにいる隣人? コンピュータと交わす秘密の会話 シンギュラリティの到来? ロボットは十分に生きている? 子どもたちにとって「生きている」とは何か? 子どもの目にロボットはどう見えているか 実用主義的な人間観 「たまごっち」がやってきた 世話をすれば愛情が生まれる 追悼にあたいする喪失 第2章 十分に生きている? 子どもたちのロボット体験 感じることを求めるロボット 世話をするほど愛着がわく ロボットの電源切れと病気と死 ロボットが苦しむとき人間は何を感じるか 赤ちゃんロボットをめぐる倫理的な問い 学生がヒューマノイドに感じた居心地の悪さ 人間よりロボットに期待し始めた人間 第3章 本当の同伴者? 現代の自動人形 他者を取り替え可能とみなすことのリスク AIBOを「育てる」子どもたち 「代用品」が「本物」に変わる可能性 ロボットを乱暴に扱う複雑な心理 機械であると同時に生物 ロボットに慰めを求める人々 セックス・ロボットが提供する「快楽」 第4章 ロボットに魅入られる人間 赤ちゃんロボット 子どもたちの実用主義的ロボット観 ロボットのベビーシッター ロボットによる高齢者介護 愛されるためにロボットを愛する ロボットに不死の希望を託す 第5章 人間とロボットの共謀 MIT人工知能研究所で開発されたロボット 人間との交流で学習するロボット 「最初の出会い」で子どもに何が起こるか? 身体の動きでロボットとつながる 種明かしされても変わらない関係 表情・声・言葉でロボットとつながる 世話をすることでロボットとつながる ロボットの悪影響と倫理的問題 過食 自信喪失 怒り・虐待 ロボットとの関係にともなう倫理的な問い 第6章 ロボットによる高齢者ケア エイジラボにやってきたペット・ロボット ロボットを歓迎する高齢者たち ケアをする機械は可能か? ロボットは人間を「気にかける」のか? 孤独な老人が慰めを求める相手 動物のペットとペット・ロボット ロボットのダイエット・コーチに癒やされる すべての人が共有する弱さ ひ孫よりロボット? ロボットが文化の一部になる 人間は介護ロボットを好きになれるか? 介護の現場で起こっていること ロボットによる介護の倫理的問題 第7章 ロボットと心を通わせる? ロボットとのおしゃべり より多くを求める「共謀」 ロボットの限界がわかっても感じるつながり ロボットと自分を結びつける実験 舞台芸術家が演じたロボットと人間のつながり 未来の「愛」はどうなるのか? 機械に感情を与えようとする試み 人間がロボットに進化する? 日々の現実がロボットとの距離を近づける ロボットが人間性を回復させる? PARTⅡ ネットワークの時代 ── 親密さの中の新たな孤独 第8章 いつもつながっている人生 新種のサイボーグ ネットが提供する自由な空間 ネットで生まれる新しい自己 「距離」と「場所」の意味が変わる 複数の世界で生きる ネット時代の新しいマナー マルチタスキングの真実 休暇中も仕事から離れられない 「処理」され「削除」されるメッセージ 物を人と見なし、人を物と見なす 第9章 常時接続社会のアイデンティティ スマホを見ずにいられない 変わる親離れと自立の意味 離れられないから自立できない 人に頼って自分を確かめる テクノロジーが助長するナルシシズム的自己 変わりつつある精神的自立の基準 アバターで別の自分を演じる フェイスブックの「友だち」 プロフィールづくりに追われる フェイスブックに疲れ果てる 自己PRのストレスを感じる 第10章 電話をかけなくなった社会 電話を嫌う社会 新しいエチケット 「電話は重すぎる」 ネットの国で自分をつくる 思春期のモラトリアム 複数の人格を使った実験 会って話すべきこともあるけれど いつどのメディアを使うか 電話よりテキスト あらゆる世代を襲うプレッシャー 一人になる時間が持てない 強い感情は電話ではなくネットで 排除される「声」によるコミュニケーション 声を使うのを嫌がる理由 第11章 人間に期待しない社会 アバターで自己実現 現実と幻想のはざまのアイデンティティ バーチャルな世界で成長できるか? スクリーンの中の生活 退屈と無縁の世界 シミュレーションゲームへの耽溺 プレッシャーなき創造・リスクなき冒険 ランダムなつながりの行き着く先 強制された空間への逃避 遮断困難な電子版アヘン 第12章 秘密を告白する空間 告白サイトに集う人々 誰かが聞いてくれているという幻想 悪感情を吐き出すことの効果 軽くなる謝罪の意味 ネット上の他人の残酷さ 自己を投影して他人を攻撃する 「コミュニティ」の意味が変わった 告白を読んだ者が問われること 第13章 脅かされるプライバシー 若者たちの戸惑い テクノロジーの影響と向き合う必要 リスクを避けてネットに依存する テロと暴力の世界で 誰と話しているのかわからない ネットに費やす時間が増えていく ストーキングの誘惑 プライバシーを差し出す世代 過去を消せない世界の自己規制 感覚と現実の乖離 削除も消去もできない世界 プライバシーと政治 プライバシーなくしてデモクラシーなし 第14章 古き良き時代への郷愁 手紙や電話の時代には戻れないのか 自分だけに意識を向けてほしい 全員へのメッセージは誰にも届かない 自然なメディアを求める若者 本当の自分でありたい 自発的に接続を断つ若者たち ネット時代の「森の生活」 自分らしくあるための聖域 終章 人間の会話をとりもどす テクノロジーに使われる人間 人間への期待値が下がってきた時代 症状と夢 それは目的にかなっているか? 感情を持つ機械 人間はロボットにどんな関係を求めているのか 失われる秘密と孤独 二者択一の罠 介護ロボットで変わるケアの意味 子育てロボットに育てられる子どもの感情 テクノロジーとつきあう現実的方法 テクノロジーを使うのは私たち エピローグ 娘への手紙 スカイプと手紙 母たちと娘たち 生活のすべてを記録するという発想 テクノロジーに押し込められる人間 収集と回想 私たちを人間たらしめるもの
読み応え十分の本でした。ロボットそしてインターネットが人間をどう変えていくのか、について著者の長年の研究を元に書かれた本です。著者はもともとこれらの影響を楽観的に見ていたところ、徐々に悲観主義的になってきたとのことで、そのあたりのトーンは本書全体から伝わってきました。本書を読んで私なりに解釈した内容...続きを読むは以下の通りです。 ロボットやネットへの依存症は、その背景に「人間不信」もしくは「全てを制御したい」欲求がある。人間が相手だと裏切られるかもしれない、悪態をつかれるかもしれない、自分の思い通りに相手が振る舞ってくれないことも多い、という感覚。そうなると、本書でもたびたび書かれているように、ロボットとの(あるいはネット上での)生活は孤独よりマシ、という状態ではなく、むしろ現実の人間との生活よりも良い、というステータスに格上げされる可能性があるのです。著者はこれに警鐘を鳴らすわけで、私もそこは同意できます。人間の成長とは、ルソーが述べているように、実は自分が弱い存在であることを認識しつつ、それを支えてくれる家族や社会が存在していることを学び、他者への共感性を身につけていくプロセスが大事だと思います。うまくいかないことをどう乗り越えるのかです。 ただ個人的には、本書のタイトルにもある「つながっているのに孤独」ではなく、人間は「孤独だけれどつながっている」という認識が正しいのではないかと思っています。しかしそういう認識になるためには、単にインターネット断ちをすれば良いというわけではなく、著者が最後に主張しているように、現実主義的な目線でテクノロジーを見る、つまりテクノロジーは万能ではなく、それによって失うものは何かを理解した上で使っていこうという姿勢が重要なのでしょう。本書の中で、ヘンリー・デビッド・ソローの『森の生活』の引用が出てきますが、ソロー自身が森の生活で成し遂げたかったことは「リアルな生」、そして「自分を内省すること」でした。ソローは孤独な森の生活の中で、自分が宇宙の一部であることを感じ、生命を感じます。今後多くの人々のロボット、ネット依存が高まる一方で、ソロー的な価値観も「アンチ」的な位置づけとして存在感を強める気がします。本書からは色々な気づきがありましたので大変満足しています。
前半のロボットと人間のコミュニケーションを論じている部分は、何を今更という感じだが、半ばのTwitterやFacebookを取り上げ始めたあたりから、面白いくなる。ところどころ、訳にどうかなと思うところがある。
ロボットと人間の関わりについて、批判的に書かれた本。ロボットを人間の代わりにしてしまって良いのか、SNSなどのコミュニケーションツールによる繋がり方の変化など。 読みながら考えていたけれど、どうしても突き詰めて考えれば考えるほど人間がどれほど特別な存在なのかわからなくなっていく。もともと人間が特別...続きを読むだとはあまり思えない方なので……その答えがどこかにあるかなあと思ったんだけど、あまり納得できる答えは見つからなかった。そういう方向性だともしかしたらフィクションの方が適しているのだろうか。
前半は、ロボットと人間の関わりについて論じています。中心的な論点は、ロボットに介護を丸投げしていいのかということです。 というのも、介護をする際、人間は共感をもって相手に接することができるのに対して、ロボットは共感しているフリをしているにすぎないからです。この点に関して、本書では、複数の立場で論じら...続きを読むれています。 後半は、人間とSNSやアバターの関わりについて論じられています。日本におけるLINEの既読スルーや即レスに関する議論と似ています。SNSに疲れたアメリカの少年少女たちの悩みに共感してしまいました。
9章常時接続社会のアイデンティティ 変わる親離れと自立の意味が興味深い これまで、自分しか頼れない状況を経験することで、自立への道を踏み出してきた。しかし、常に繋がることで、親や友人、知人と常に連絡をとり頼ることができてしまう。 離れられないから自立できない。 人間の成熟を、境界によってのみ判断する...続きを読む事への疑問もあり、感情の共有により自己を確立するというスタイルもある。とはいえ、常にSNSのいいね!がないと不安。などはまさに繋がり依存の一例。一方で、SNSで演じることに疲れたとこぼす若者も多い。その分直接話したいと。 つまり、常時ではなく必要なときに繋がる。やはりそれを求めているのだと思う。 1人の時間、繋がらない時間を持つことで、自己の感情と向き合うことで、自己が深まる。その上で、仲間と会う。それこそが成長への道なのだと感じた。 静寂こそ不安と感じてしまう...すでに依存状態といえるのだろうか。 自己の開花ー多様性のあるもの、独立しているもの、グローバルなものと接したとき。と精神科医ロバート氏の言葉。 別章になるが、繋がり依存について、電子版アヘンとさえ言及。孤独から、メールを受信することでドーパミンが放出、メールやSNSなどに没頭逃げ込めるということ。メルカリ、株、、いろんなことに言えるし、仕事依存も近しい?と思える。 ロボットやテクノロジーを人間の代替品にすることについては、禁断の実験と述べている。たしかに、介護ロボットがいるならば、子育てロボットも容認されるのかという話だからだ。そうして、我々人間がしていたことをロボットに委ねることによる解放...その先に人間の役目はどうなるのか。 繋がっているからせわしなく、要点だけを求めるようになった。然りと感じる。無駄を極限まで削ぎ落とし、効率化に傾注している人の多いこと。そこでたどり着くのは限りなく死と孤独に近いのではないかと思わずにはいられない。 マルチタスキングハイ ーテクノロジーによら常に繋がり、いろんな世界を持てる。しかし、それは、メール依存同様といえる。 ロボットの存在 ロボットにも命を感じられるか。倫理観が問われる。 一方で、人間に対する命の重さも軽薄になっていると感じる。 そして、我々は、人をものとし、ものを人として扱い始めていると言及。 自分の心を理解してくれるものを作りたい。という研究があるようだが、普通の人間関係においても、そのような存在を求めている人が多く感じる。年の差婚、親子離れ問題 がその一端だと感じる。 更にロボットは不死であり裏切らない。人間の心の脆弱に拍車がかかると思えて仕方ない。
( ..)φメモメモ サターンという名のたまごっちは、たまごっち年齢12歳まで生きた。電池は切れたけれど、私の中に生きている。 パンプキンという名のたまごっちは16歳で死んだ。みんなにデブと言われたから、やせさせようとした。体重が減ったから死んでしまった。ごめんね。 子どもたちはバーチャルな死の責任...続きを読むを負っている。
前半がロボットで後半がSNSである。インタビューや事例ですべて構成されているので、論文としては使いづらい。話としては具体的な面白いところがあると思われる。
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