大乗経典の誕生 ──仏伝の再解釈でよみがえるブッダ

平岡聡

日本仏教の源流にある大乗仏教。しかし、その経典群は、ブッダ自身が説いたものではない。ブッダ入滅後、数百年後に作られたものなのだ。どうしてそのような文献が、権威を持ち、仏教史の中で大きな影響力を持ったのか。また、それらはどんな材料やどんな論理で制作されたのか。ブッダの思想やブッダの伝承とどのような関係があるのか。「仏伝」をキーワードに、仏教思想の一大転機を実証的に探りつつ、そのダイナミズムを明らかにする。

• カテゴリ: ビジネス・実用
• ジャンル: 学術・語学 / 哲学・宗教・心理
• 出版社: 筑摩書房
• 掲載誌・レーベル: 筑摩選書
• 電子版発売日: 2018年08月31日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 7MB

[ブクログ · ★★★★☆]

固有名詞と一般名詞の仏陀と菩薩。個人崇拝と宗教の普遍化。仏伝の再解釈というメインのモチーフは、深くは肯定できない。そこまでの説得力は本書にはない。しかし、大乗仏教の成立の起源に迫ろうとする問題意識は大変に興味深い。あとがきは興醒め。