ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫)

561円 (税込)

2pt

美術評論家のおれが住む家のまわりでは喧嘩がたえまなく繰り返され、老いた母と妻、娘たちを騒ぎから守ろうとおれは繰り返し対応に四苦八苦。そこに死んだはずの父親や息子が繰り返し訪ねてきて……。コピー&ペーストによって執拗に反復され、奇妙に捩れていく記述が奏でるのは錯乱の世界か、文学のダンスか? 巨匠が切り開いた恐るべき技法の頂点にして、前人未到の文学世界!

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ダンシング・ヴァニティ(新潮文庫) のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2016年02月15日

     本作は文学的実験である。しかし同時に娯楽小説でもある。実験の主たる手法は反復。
     「おれ」は美術評論家で、母親と妻、幼い娘、出戻りの妹とその娘と先祖代々の家に住んでいる。ストーリーは「おれ」の本が売れたり家を建てたり画家と付き合ったりという美術評論家の日常であるが……
     「ねえ。誰かが家の前で喧嘩...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年04月06日

    冒頭から初期の短篇 「しゃっくり」 を思わせる時間の反復で始まり、 おい、 これいつまで続くんだよと、 半ば呆れながら読み進めていくと、 いきなりの鮮やかな場面転換が。時間と空間、 過去と現在を自在に行き来し、まるで夢を見ているときのような、 あの脈絡は無いのに妙に生々しい感覚を味わわせてくれる作品...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年08月01日

    好き嫌いが分かれる本とは思いました。私は大好きです。言葉を弄んでいるようにも見える文章をこつこつこつこつ読み進めていくと、じわじわと物語が広がっていきます。最後の辺りは物語に浸り切って涙ぐむほどです。何度も読み返してしまう本です。

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    Posted by ブクログ 2018年05月22日

    特異な物語展開のその自在というか奔放・・反復展開され変幻する物語世界(振幅)に惹きこまれた。正直途中退屈を感じることも多少あったけれど(失礼)。作家が誇示する小説の技量(語る力)、それは大した力業なのだがその強引さにどこまでつきあっていけるか?・・一方作家は読み手に対しそれをたくらんでいる?文学誌(...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年06月07日

    先の読めない「コピー&ペースト」手法が面白い。
    ドタバタ感が筒井作品らしくて好み。繰り返される文章がくせになる。

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    Posted by ブクログ 2011年05月24日

    「残像に口紅を」が、文字をひとつずつ消してゆくことで以前と同じ表現を使うことができなくなる、いわば「反復の忌避」が主題であったのに対し、「ダンシング・ヴァニティ」は作者が執筆中に突然思い出したかのように以前と全く同じ文体が繰り返される。穿った見方をすれば、ただの原稿料の水増しなのかもしれないが、同じ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2011年03月22日

    実は、筒井康隆さんの本はこれまで読んだことがなくて、これが初めてだった。

    はじめ読み始めて、
    なんだこれは?
    って?マークばっかり浮かんでたけど、
    特に素晴らしい物語があるわけでもないのに、
    繰り返しのリズムの中で少しずつ変化していく話がその先どんな風に進むのかが気になってしまって、夢中で読んだ。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年10月18日

    明晰夢をひたすら言語化するスキルとバイタリティ。伊集院光が言うところの「脳汁を垂れ流す」状態か。「音楽」「フクロウ」とくれば、ツイン・ピークスも思い出す。

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    Posted by ブクログ 2013年05月11日

    反復する手法が実験的に面白い。
    話として面白いかというとまたそれは別です。
    反復する方向性は決まっていて、繰り返されると必ず筒井氏らしいナンセンス世界になっていく。その逆はない。コピペを繰り返されるとだんだんオリジナルの精密さが無くなるという表現なのかもしれない。
    ネット世界のコピペはそのままの同一...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年12月15日

    まさに吃りの小説。何度も何度も同じ文章が繰り返されるが、繰り返される度に少しずつ主人公の心情やら他人に対する印象やらで新しい情報が盛り込まれ、徐々に描かれている状況が理解できるようになるような気がする。

    繰り返されて来たエピソードたちが一堂に会す瞬間は、不思議なカタルシスがある。

    白いフクロウや...続きを読む

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