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Posted by ブクログ 2016年02月15日
本作は文学的実験である。しかし同時に娯楽小説でもある。実験の主たる手法は反復。
「おれ」は美術評論家で、母親と妻、幼い娘、出戻りの妹とその娘と先祖代々の家に住んでいる。ストーリーは「おれ」の本が売れたり家を建てたり画家と付き合ったりという美術評論家の日常であるが……
「ねえ。誰かが家の前で喧嘩...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年04月06日
冒頭から初期の短篇 「しゃっくり」 を思わせる時間の反復で始まり、 おい、 これいつまで続くんだよと、 半ば呆れながら読み進めていくと、 いきなりの鮮やかな場面転換が。時間と空間、 過去と現在を自在に行き来し、まるで夢を見ているときのような、 あの脈絡は無いのに妙に生々しい感覚を味わわせてくれる作品...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年05月22日
特異な物語展開のその自在というか奔放・・反復展開され変幻する物語世界(振幅)に惹きこまれた。正直途中退屈を感じることも多少あったけれど(失礼)。作家が誇示する小説の技量(語る力)、それは大した力業なのだがその強引さにどこまでつきあっていけるか?・・一方作家は読み手に対しそれをたくらんでいる?文学誌(...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年05月24日
「残像に口紅を」が、文字をひとつずつ消してゆくことで以前と同じ表現を使うことができなくなる、いわば「反復の忌避」が主題であったのに対し、「ダンシング・ヴァニティ」は作者が執筆中に突然思い出したかのように以前と全く同じ文体が繰り返される。穿った見方をすれば、ただの原稿料の水増しなのかもしれないが、同じ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年03月22日
実は、筒井康隆さんの本はこれまで読んだことがなくて、これが初めてだった。
はじめ読み始めて、
なんだこれは?
って?マークばっかり浮かんでたけど、
特に素晴らしい物語があるわけでもないのに、
繰り返しのリズムの中で少しずつ変化していく話がその先どんな風に進むのかが気になってしまって、夢中で読んだ。...続きを読む
Posted by ブクログ 2013年05月11日
反復する手法が実験的に面白い。
話として面白いかというとまたそれは別です。
反復する方向性は決まっていて、繰り返されると必ず筒井氏らしいナンセンス世界になっていく。その逆はない。コピペを繰り返されるとだんだんオリジナルの精密さが無くなるという表現なのかもしれない。
ネット世界のコピペはそのままの同一...続きを読む
Posted by ブクログ 2012年12月15日
まさに吃りの小説。何度も何度も同じ文章が繰り返されるが、繰り返される度に少しずつ主人公の心情やら他人に対する印象やらで新しい情報が盛り込まれ、徐々に描かれている状況が理解できるようになるような気がする。
繰り返されて来たエピソードたちが一堂に会す瞬間は、不思議なカタルシスがある。
白いフクロウや...続きを読む
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