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人生ってのは、なかなか難儀だ。目釜市岬新町――寂れた海辺の倉庫街にて「トナカイ運送」を営んでいる神則道と矢薙圭介。凸凹コンビの裏の稼業は、ワケあり客OKの逃がし屋だ。あるクリスマスの夜、産婦人科医・田巻毬子から「夫の暴力に苦しむ妊婦を助けてほしい」と依頼が入り……。DV・借金・ストーカーまでクライアントの悩みは多種多様。心が震える新感覚バディエンタメ!
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Posted by ブクログ
ポップな表紙絵とタイトルの割に、 内容はおもくそハードボイルドだった(^ ^; 少年時代の暗い過去を引きずる弱小運送屋の社長と、 一緒に住み込みで働く「相棒」の若者、それに 主人公の幼なじみである熱血弁護士の女性の三人が、 自らの正義感に従って様々な苦労を背負い込んでいく、 というのが大まかな流れ...続きを読む。 様々な「ひどい目に遭ってる人」が出てきて、 主人公たちはそれぞれの悩みに寄り添い、 救いの手を差し伸べていく。 連作短編集だが、全体で一つの大きなストーリーがある。 現代社会の闇の部分、逆らえない巨悪に翻弄されつつ、 窮鼠は猫に噛みつき、蟻の一穴をこじ開けていく。 アメリカンコミックのヒーローとは違い、 あくまで一般人の主人公たちは、暴力にはからきし弱い。 「巨悪」との圧倒的な力の差にズタボロにされながら、 それでも最後の最後まで諦めずに信念を貫く。 それには、主人公の少年時代の暗い過去が絡んでいる。 ちょっとオカルト要素と言って言えなくは無いが、 鼻白むほどではなく、十分納得できる範囲内。 一応はハッピーエンドを迎えるが、 「巨悪」のアタマをつぶせた訳では無し、 トナカイが「逃がした」人々の「その後」も気になるし、 読後も長く余韻が残る感じの一冊。 全く予備知識なしに手に取った一冊だが、 大当たりでした(^ ^
文庫のカバーの絵が変わってから欲しくなって買った本。 ただの連作ものかと思ったら、案外一つの結末へと向かう話になっていた。 一話目は「よかったね」って話なんだけど、最後まで読むと「よかったね」の重みみたいなのが変わっていて、面白かった。 二人の掛け合いもいいかんじなので楽しく読ませてもらった。
逃げるというのはとても重い決断。比較的軽いノリで物語は展開するのものの、かなりヘビーなところに物語は収束していく。 閉塞感が漂う町で、色々な人たちが複雑に絡み合っていく感じは、なかなかに読み応えがありました。
正確に書くと星3.8。 文章が軽くなく、内容としても面白かった。 なかなか小説で逃がし屋の話がないので、それも新鮮味があって面白かったし、リアルさがあった。 他の人も言っているように、まほろ駅前シリーズと似ている。 だが、こっちの方がよりダークな面がある。
人情味豊かだけどちっともほのぼのじゃない、個人営業の零細運送業者が運ぶハードで悲惨な人生ドラマの数々と、その背後で蠢く闇のビジネス。 敵役が神さんのトラウマをわざわざ解いてくれるの何でだろう?謎だ。 「ツインテールの娘」が何だか切なくてツンと来る。
重いというか、おぞましい。バイオレンスな話も苦手だし、ちょっとキツかった。 もう少し軽いノリかと思っていたけど。名取さんだし。 ラストは救いがあるのだけど、途中経過が。
昔なら、「夜逃げ屋本舗」ですかね。 もっと、シビアな感じもするけど ある種のドライ感があってよい。
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逃がし屋トナカイ
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名取佐和子
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