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『史記』でも『万葉集』でも、人間の悩みは現代と変わらない。失意のときにどう身を処すか、憂きこと多き日々をどう楽しむか。答えはすべて、歴史に書きこまれている。歴史こそ究極の人間学なのである――敬愛してやまない海舟さん、漱石さん、荷風さん、安吾さんの生き方。昭和史、太平洋戦争史を調べる中で突きつけられた人間の愚かさ、弱さ。天下国家には関係ないが、ハハハと笑えて人生捨てたもんじゃないと思わせてくれるこぼれ話等々。80冊以上の著作から厳選した歴史探偵流・人生の味わい方。
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Posted by ブクログ
さまざまな人の言葉を引用して、平和を考えさせてくれる一冊。 ノートに書き留めた。 平和って尊い。 その尊さをわかってないのは、日本人だからなのかも。
以前に読んだ歴史と戦争が重い内容だったので、覚悟を決めていたのだが、楽しく読ませてもらった。特に第二章は、煩悩、ソクラテス、ナポレオン、チャーチル、マッカーサー、鴨長明、秀吉、光秀、日蓮、沢庵和尚、ちゃきちゃき、ジョン万次郎、四月入学、ヨーソロ、一等国、万歳、アンネ・フランクなどなど多岐に渡るこぼれ...続きを読む話がこれでもかと出てくる。勉強になった。
幻冬社編集者による抜粋もの。本選びのきっかけにはなる。三四郎『滅びるね』のくだりは、有名らしいけれども知らなかった。 あと、山口誓子の句 海に出て 木枯らし帰る ところなし が、神風特攻隊についての句だと知り、衝撃を受けた。学校で習った時は、誰も教えてくれなかったな。
これは個人的に、ものすごくハマった。恐らく半藤氏のファンの方であれば、これまで読まれてきた著書のエッセンスだけを切り取ったような本であるので、復習とか再確認という意味でよくまとめられた本となるのだろう。 今まで著者と出会えなかったのは、まったく自身のセンサーの問題だが、遅ればせながらでも、今回著者...続きを読むと出会えたことは大きな収穫だ。 経歴に、松本清張、司馬遼太郎らの担当編集者をつとめたとあり、「週刊文春」や「文藝春秋」の編集長、専務取締役を経てから、作家となったとあり、Wikiで調べれば、夏目漱石が義父という。もうこれだけで、作家としての興味レベルは最上級。 ある時期から、「歴史探偵」を名乗られ、特に太平洋戦争史、昭和史のなぞ解きに力を入れられている。本書の帯にもスーツ、ネクタイ姿にハットをかぶる、探偵っぽい著者の写真があったりするのはそれを意識をしてのことだろうか。 本書には、多くの作家にまつわる話が登場する。これまで書かれた作品からエッセンスを抽出されたような本であるから。 著者がかかわりを持たれた、司馬遼太郎氏、松本清張氏はもちろん、著者が敬愛してやまないという勝海舟、夏目漱石、永井荷風、坂口安吾の各氏にまつわる話は、源流が深いにも関わらず、本書ではエッセンスのみが抽出されているため、どうしてもその引用元の著書を読んでみたくなる。 しかも本書は80冊以上の著書から編集されたものだそうで、普通なら話題も小間切れになりがちだが、うまくストーリー性を持たせた編集となっているので、本書だけ読んでも満足が完結する。 最後の章の「近ごろ思うこと、憂うこと」では、原発のこと、集団的自衛権のこと、従軍慰安婦のこと、憲法のことなど、賛否議論となるようなテーマについて、明確に自身の見解を言い切られており、キレ味も爽快である。歴史の教訓に裏付けられた正論を述べられてるなと感じる。 先にブッフェを楽しませていただいたようで、次は各コース料理のほうも賞味させていただきたい。
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