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木陰に立ち並ぶ数十体の地蔵の、ある法則に気づいた瞬間に戦慄する「顔なし地蔵」。風雨と霧に閉ざされたヒュッテの乾燥室にうずくまる青い雨具の男の正体が切ない「乾燥室」、奇妙なほど行く先々の山で遭遇する女性の言動が謎と不安を誘う「ポニーテールの女」他。避難小屋、山奥のトンネル、テント――心身ともに強靭な山男たちを震撼させる、恐ろしくも不可解なできごとを山の霊気とともにつづる。文庫オリジナル作品2篇を収録。
※本書は二〇一三年四月に小社よりMF文庫ダ・ヴィンチで刊行された作品を、加筆・修正して再文庫化したものです。
Posted by ブクログ 2019年07月07日
著者の怪談を動画サイトで聴き、その語りの心地よさに惹かれて興味を持った。
この手の本を読んだのは初めてだが、程よい怖さを味わえた。一部動画で聴いたことのある話もあったが、文字で追うとまた違う感じがする。文章自体は簡潔で読みやすいが、自然の美しさなど、山登りの醍醐味を感じさせる描写もあり、ただ怖いだ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年06月13日
2018061
山の怪談話ですが山好きならば、描写を読んだだけで楽しくなってきてしまう。怖いけれどホロリとするお話もあり。
乾燥室、霧幻魍魎なんかはグロテスクで本当に怖かったし、青いテント、三途のトロなんかはテントやツェルトの中からひとり異様な外の世界に恐怖する。
ポニーテールの女は面白い話だ...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年06月15日
山の霊異記三巻、このシリーズは主に人がかかわる山の怪異集だ。
戦前からの登山ブームは遭難者も多く出していたはずだ。
山の事故は一瞬の気の緩みで命をなくす。
もし、その一瞬で死んだ霊が、まだ自分が死んだことにも気が付かずに山を登り続けているとしたら。
山は異界だ。間違いなく。
今までに...続きを読む
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