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“だから、僕は道路の方へ歩きだしても、足もとの地面はくらくらし、遠い頭上から何かサツとおそろしい光線がやつて来さうになつたり、魔のやうな時刻がつきまとふのだが……。” 己の病状が悪化したなか、肉体と精神の苦しみを叙情と詩情にあふれた文体で描かれる。終戦間もない街の中を歩きながら、目に入る光景や遠い自分の過去の内面を身を切るような思いで見つめ描き出す。
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