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イギリス郊外に静かに佇む古い貴族屋敷に、両親と死別し身を寄せている眉目秀麗な兄と妹。物語の語り手である若い女「私」は二人の伯父に家庭教師として雇われた。私は兄妹を悪の世界に引きずりこもうとする幽霊を目撃するのだが、幽霊はほかの誰にも見られることがない。本当に幽霊は存在するのか? 私こそ幽霊なのではないのか? 精緻で耽美な謎が謎を呼ぶ、現代のホラー小説の先駆的な名著。
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Posted by ブクログ
果たして幽霊は居るのか?居ないのか? 126年前に描かれた怖い話。純真無垢な子供が 不気味。見えてるの?見えてないの?謎は深まっていく。 両親と死別し、イギリス郊外の古い屋敷に暮らす聡明な兄妹。離れて暮らす伯父に雇われ、赴任してきた家庭教師である「私」。 可愛く従順な子供達と屋敷を仕切る事となった「...続きを読む私」はある日、高い塔に見知らぬ男の影を見てしまう。それは以前勤めていた使用人に似ていた。しかし、その男はすでに死んでいた。 YouTubeで知った本作。ホラー苦手な私はこれなら読めるかもと手に取った。ほど良い怖さで一気読み。いろんな解釈ができる。元祖、信頼できない語り手かも。人が一番恐ろしい。 イギリス、子供、古い屋敷には幽霊がとても似合う。めちゃめちゃ面白かった。
『物語の解釈は、あなたに委ねられています』 幽霊話?心理ミステリー? あたかも幽霊の話をするかのような前振り。 読み進めていくうちに、あれ、何か違うぞ! そして、最後の衝撃! いったい、この話は、何だったんだ? という解釈が読者に委ねられた古典名作。 ん?妄想?
不思議な小説だった。それは、クリスマスイブ、イギリスの古屋敷に集まった男女に向かって、今は亡きダグラスが彼の妹の家庭教師の手記を語った物語。でも、このお話は、それを聞いた私が書写した控えである。そして、その内容は、イギリス郊外の古屋敷に住む男の子マイルズと女の子フローラの家庭教師として雇われた私の体...続きを読む験記である。「私」は、その屋敷に現れる以前の世話係と前家庭教師の亡霊に遭遇するのだが、それが私の内面から書かれているものだけに、亡霊が本当に実在したのかどうか読んでいても分からなくなってくる。印象深い一冊。
恩田陸さんも以前『ねじの回転』というタイトルの長編小説を発表しており、タイムスリップSFモノだったので本作もそっち系なのかと思っていたのですが、全然違うお話でした。もっとも、本作の特徴である説明しすぎず解釈を読者に委ねる趣向は恩田さんも得意とするところなので、何かしらのオマージュは捧げているのかなあ...続きを読むという気はします。 その趣向について少し述べます。主人公は語り手である「私」。両親と死別した兄妹の家庭教師として住み込みで雇われた「私」が、屋敷に出没する男女の幽霊から兄妹を守ろうとするのですが、実はこの幽霊は「私」以外の人間は見ることができません。そのため「幽霊は実際に登場した」という解釈や、「幽霊は語り手の妄想に過ぎない」等、物語の核となる部分で複数の解釈が読み手に委ねられています。私は子供たちの振る舞いを鑑みて、わずかの差で「幽霊は登場した」に一票を入れたいと思いました。さすがに裏表紙の内容紹介にある「私こそ幽霊なのではないのか」説はちょっと無いかなと思いましたが。これ以外にも様々な箇所で真相をぼかした表現が用いられており、その多面性こそが本作の大きな魅力になっています。 様々な解釈を許すことで作品世界に奥行きが出る小説は今でこそ数多く目にすることができますが、その先駆けとして本作の果たした役割は非常に大きい、というのも納得の面白さだったのでした。
おもしろかった。 文庫裏側あらすじの「私が幽霊なのか?」にだいぶ惑わされたんだけど、読み終わってもはっきりした解答は得られず、ひたすら不思議な話だった。作者がいろんな趣向を凝らして、いろんな憶測ができるよう考えて書いたことがわかる。
モダニズム文学の先駆者ヘンリー・ジェイムズの伝説的ホラー小説。 ある屋敷に宿泊する人たちが百物語のように一夜ずつ怪談を語っていく集いを開いており、そこで語られる一つの話がこの『ねじの回転』 作中作という形で語られる話であるが、主人公はいわゆる”信用できない語り手”で、幽霊の目撃談を始め、その幽霊に...続きを読む子供たちが操られているという話もどこか怪しい。 この話を屋敷で出会う家政婦に語るのだが、その家政婦の存在すらも主人公に都合の良い扱いがされており、だんだん彼女の存在すらも主人公の妄想なのでは? とさえ思えてくる。 何ならこの話そのものの存在すらも危ういバランスのもとで成り立ってるような、終始そんな不安感に包まれている。 ちなみに本作は映画の方も有名。 いくつか映画化されており、どの作品も解釈が違うよう。 そのなかでも特にジャック・クレイトンが監督した1961年に映画化された『ねじの回転』は伝説的作品として有名で、90年代から00年代にかけてブームとなったJホラーに与えた影響は強い。 さすがに百年以上前の古典だけあって今読んで新鮮さや、恐怖を感じることはない。 だが、未だに欧米圏ではこの物語をどう解釈をしたらいいのか論争が起きるような作品ってことも面白い。
果たして、それは本当にいたのか?兄妹の家庭教師を頼まれた、女が徐々に狂気的になっていく様を彼女の手記を通して読み進めていく。最初はこの子供たにはなんと素晴らしいんだろう!と朗々と語っていたが、有る瞬間を境にそれは乱れていった。最初から少し子供の素晴らしさを手記に書き散らしていたときからかなり妄信的だ...続きを読むなと感じた。それが、幽霊を見た(最後まで読むと其れも定かではない)日から少しずつ、しかし劇的におかしくなっていった。子供たちを誉める一方で、ひどく非難するような書き方をし、書き手の心理描写が一定ではなく不可解。
アンソロジーに入っていた短編が面白くて、ヘンリー ジェイムズの本を読んでみた。 これは面白い! 翻訳のせいなのか原文のせいなのか、最初読みづらかったけど、慣れてくるとグイグイ入り込める。 ヘンリー ジェイムズって思わせぶりが凄く上手で読んでる最中も先が読めない。 他の作品も読んでみたいけど、ね...続きを読むじの回転を別の翻訳で読んでみたい。
自分が好きな感じの話ではあったんだけど、読んでいて、どうにも馴染めなかった……。訳がどうとかそういうのではない。 少し時間置いて再読しようかな。色々な翻訳者さんたちのがあるから読み比べてみるのも面白そうだ。
古屋敷に住む子どもの兄妹に女性の家庭教師が雇われ、子どもたちに纏わる幽霊に果敢に挑み、奮闘する。難解に感じた。2023.3.24
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