異次元緩和の真実

異次元緩和の真実

2,420円 (税込)

12pt

4.5

●一貫して反対票を投じてきたその根拠
著者の木内氏は、2012年より日銀審議委員を務めてきた。当初は白川総裁のもと、「日銀は過度に金融緩和に慎重」と言われ、木内氏はむしろ積極派とみられていた。
しかし、翌年に黒田総裁に代わると、日銀は「超金融緩和」路線に向かうことに。その中で、積極派を自認していた著者も、相対的には「慎重派」へと変化することになった。
「少数意見を通すには常に自分で考え方やロジックを整理し、議論に臨まなければいけない。それが大変だった」と木内氏は述べているが、この本にはその論理が詰まっている。報道等で伝わっている考えはごく一部であり、この本は5年間の審議委員を全うした男のまさに集大成といえる。

●副作用を上回る効果を最大化せよ
金融政策は難しい。財政政策のように「財源」などのコストがみえにくく、すぐに効果がみえないからである。それでも目先のことではなく、中長期的に、その効果と、特に「副作用」について考えなければならない。そういう意味では、「何が何でも2%の物価上昇目標」「大量の国債買い」は副作用が大きいと木内氏は言う。異次元緩和においてどのくらい効果を生んでいるかを示す物差しの一つが実質金利だが、14年で底入れしていて、追加的な策は意味をなしていないという。
では木内氏が描く出口戦略とは。(1)長期金利目標の廃止、(2)階層型当座預金制度を廃止したうえで付利金利を+0.1%に、(3)国債買い入れ増加ペースに目標を設定し、それを段階的に縮小。

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異次元緩和の真実 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    日本銀行の元審議委員の著書。当時の審議委員の中では佐藤氏と並んで黒田総裁・岩田副総裁に真っ向から対立していたが、その背景となる理論的根拠が丁寧に解説されている。翁所長、早川局長、木内審議委員とOBにこれだけ支持されない政策とは…

    0
    2018年06月03日

    Posted by ブクログ

    タイトルは、〜真実とあるが、内容は前日本銀行政策委員会審議委員としての意見。日銀の政策に対して批判的に自論を述べている。日銀は破綻のリスクを抱えており、非常に舵取りが難しい状況にある。異次元緩和の前に戻るには(それは何ら国民にとってのベストではないが)、市場と長期的な信頼関係を構築し、十数年かかる状

    0
    2018年05月01日

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