名探偵の証明

名探偵の証明

794円 (税込)

3pt

そのめざましい活躍から、1980年代には推理小説界に「新本格ブーム」までを招来した名探偵・屋敷啓次郎。行く先々で事件に遭遇するものの、ほぼ十割の解決率を誇っていた――。しかし時は無情にもすぎて現代、60代となったかつてのヒーローはある事件で傷を負い、ひっそりと暮らしている。そんな屋敷のもとを、元相棒が訪ねてきた。資産家一家に届いた脅迫状の謎をめぐり、探偵業の傍らタレントとしても活躍している蜜柑花子と対決しようとの誘いだった。人里離れた別荘で巻き起こる密室殺人、さらにその後の屋敷の姿を迫真の筆致で描いた長編ミステリ。第23回鮎川哲也賞受賞作。/解説=村上貴史

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名探偵の証明 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    一世を風靡した名探偵の挫折から再生、そして名探偵とは何かを鮮烈に描いた本格推理。
    名探偵の存在意義や後期クイーン問題。答えは出ていない。名探偵が愛おしくてたまらなくなった。
    ハウダニットフーダニット、全く魅力がない。本作の評価はそこではない。彼ら彼女らの証明。名探偵の生き様に焦点をあて、フューチャー

    0
    2018年01月18日

    Posted by ブクログ

    年老いたかつてのヒーロがー、それでも自分であり続けようともがくさまを描く、一人称の語り口からもハードボイルドなお話。さらに言うなら、主人公の屋敷には、解説にも言及がある冒険小説のヒーローの面影が濃い。その分、トリックも小粒で純ミステリとしては軽め。もちろん名探偵という理不尽で不条理な装置について考え

    0
    2021年06月17日

    Posted by ブクログ

    名探偵の老いと最期ということではポアロの「カーテン」がありますが、名探偵自身の語りで老いに伴う葛藤を語られるというのは新鮮でした。お話も多層的になっていて最期まで読ませるし、ラストも何とも言えない味わいでした。

    0
    2018年02月18日

    Posted by ブクログ

    着眼点は今まで読んだミステリの中でも異質で面白かったが、話の内容自体は可もなく不可もなくという感じでした。シリーズ一通り読むと印象変わるのかな。

    0
    2022年08月12日

    Posted by ブクログ

    鮎川哲也賞受賞作。過去の名探偵と、現在の名探偵を共演させることで、名探偵の終わりゆく姿をまざまざと見せつける。テーマも構成も面白いのだが、いかんせん事件の謎の質が低く、彼・彼女らが名探偵であることの証明が出来ていない。

    0
    2020年04月02日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    新しい、本格ミステリー。探偵を俯瞰的に見ると、行く先々で起こる事件に突っ込み入れたくなるけど、その背景や家庭事情や悩み含めて人間らしい懊悩がいい。新旧探偵の共演も面白い。
    ロジック立てる段では、なるほど納得そうなのか!という美しい論展開ではない。話の魅力をキャラクターに振った結果か?
    余談だが、p2

    0
    2021年10月31日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    ミステリを読んで、名探偵の孤独というようなものを感じることはあまりない。何故ならば、大体において、名探偵という人種は、一般人に比し突き抜けた思考回路を持っており、そんなことは意に介さないように振る舞うから。

    でも、一人苦悩する探偵が少なからずいるのも確かだが、それが自分に課せられた役割と割り切り、

    0
    2019年06月30日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    過去の名探偵とその相棒並びに現代の名探偵がそれぞれの思惑の中で挑む事件。その真相が最後に明かされた時には驚かされました。
    最後に七瀬が父親に伝えたかったことは何だったんでしょうね。

    0
    2022年10月29日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    タイトルに惹かれて購入。文章も読みやすく、謎解きも丁寧だったのですが、読み終わった後は、おもしろかったという気持ちよりも後味の悪さが残ったような気がします。

    物語のラストもそうなのですが、小説の中での名探偵という存在に対する世間の考え方が、非常にシビア。

    探偵が主人公の世界(小説)であっても、全

    0
    2019年11月01日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    一昔前に一斉を風靡した名探偵と、現代の名探偵が一緒に事件解決に挑むミステリ。設定がとても好き。
    謎解きに立ち向かう姿より、自分の衰えを実感して引退を考えたり、心配する妻との関係に頭を悩ませたりと、とても人間らしい名探偵の姿が描かれる。
    が、最後に明かされる真実は重い…。重いけれど、でも「言われたらそ

    0
    2017年12月25日

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