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「教育のことを薫陶という。これはまさに空気による育成を意味する」、家庭には家風、学校には校風があることを考えてみよう。人間が生活しているところにはやがて、一定の空気、雰囲気が生じる。本当の教育は押し付けや口先だけの注意ではない、子どもを包む家庭や学校の空気こそ、最も深いところに作用する。お茶の水女子大学附属幼稚園の園長でもあった著者独自の教育論は目からウロコである。
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Posted by ブクログ
2019/7/28 外山滋比古さんの本は本当に面白くて、その考え方はとても参考になるものが多いです。 この本では、教師としての外山滋比古さんの経験をもとにして1983年に書かれたものを、2011年版に色々と古くなったものは除きながら再編集したものだそうです。学校での教育に関すること、教師としてのあり...続きを読む方や心がけていくこと、保護者の変化について現代の社会の変化にも触れながら、どうして保護者にも変化が起きているのだろうということを考えるきっかけを与えてくれているように感じます。 書かれた時期が古いので、若干、今の時代の感覚では合わないんじゃないかなと思うところもありましたが、話の大筋の観念はやはりブレないし、現代にもかなり通じるもの、むしろ現代だからこそ考えていかなきゃいけないことのヒントがあるように思います。
p-172「親が子供のためにということの少なくとも半分は親自身の虚栄心を満たすためである・・・子供は成長の苦しみを存分に味わっているのだから・・・大人の夢を押し付けるような残酷なことはしない・・・」 p-184「理想を掲げる。それに向かって走らせる。転んでも立ち上がればいい。道を間違えてもやり直せ...続きを読むばいいい」 p-189「褒めるのは陰で、叱るのは本人だけにそっと。」 p-203「こどもにやる気を起こさせるにはホウビという勲章をやらなくてはならない。」「ケチケチすることはないが、賞がインフレを起こしてもいけない。」 等、為になる言葉がいくつもある。
空気の教育とは? 学校は、先生と授業で教育するが、それだけではない。目に見えない空気が、教室の勉強におとらない教育をする。そのことに、親はもちろん教師も気づいていないのは、不幸である。 薫陶というのは、そういう空気によって、いつとはなしに感化されておこる教育の効果で、精神の深いところに達する。口先だ...続きを読むけの教育の比ではない。 先生との触れ合いは限られていても、校風という空気は、そこに学ぶものを耐えず包む。学校にいる間だけでなく、学校から帰ってもはなれことがない。こうして、いつのまにか、人間を作りあげる。空気教育は、すばらしい力を持つ。 いっけん何もしてないように見えるかもしれないが、実は外形だけにこだわった、いわゆる教育よりもはるかにすばらしいことができる。 この空気は、どのように作るのだろうか? 人間の生きるところには、必ず空気がある。誰でも、自分の周りに、独特の雰囲気を持っている。 心の空気は、【形式×くりかえし×時間】によってできる。 形式をくりかえし、くりかえし言い、しかも何年も続けて、はじめて、雰囲気、空気がかもしだされる。 形式×くりかえし×時間の結果できる空気のことをときとして、【しきたり】と呼ぶこてがある。つまり、文化である。 すごく考えさせられた。教育の根源的なものである。すごく自分自身もそうだが、今の教育は、形式にとらわれすぎている。この本では、学校、家庭に焦点があてられているが、企業文化もこういうことだろう。
直接の指導ではなく、雰囲気で教える。 それを文化と名付ける彼の言葉選びにグッと来ます。 人の親として、当たり前に学ぶ空気を家庭に作る責任を感じました。
「思考の生理学」の方の書かれた本。 確かに、とても勉強になる。 とくに、こどもと関わる職業の方なら一読の価値あり。 しかしちょっとおじいちゃんめいてんなと感じる部分もあった。こう、性別役割分担的なところがね。 それは、あのね、個人的にやだったな。 子育ては「ハハオヤ」が1人でするものではない、出来る...続きを読むものでもない、その、地域で、みんなでするべきものだよなぁと感じているから。 そう書かれていたのかもしれないが。読み込み不足? 逆に、おじいちゃんだから語れる(マラソン、とか、汗の大切さ、とか)こともあり、これは改めて見直す必要ある有益な視点だよなぁと思ったりもした。
名著「思考の整理学」の著者である外山滋比古の教育論1983年初版発行なので,若干の古臭さは否めないが,本質は未だ変わらない. 点数にこだわる.成績に目の色を変えるはペンキ教育に過ぎない.ペンキを塗ればきれいに見える,しかし中はなんら変わらない.ペンキ教育ではなく,空気の教育が必要.空気とは形式×繰...続きを読むり返し×時間によってできる.学校の空気,家庭の空気,どのような空気で子供を育てるのかが大事.特に家庭の空気.すなわち家庭ごとに文化がそなわっていないといけない.
著者のエッセイにはいつもちがう視点があり感嘆してしまいます。 「教育のことを薫陶という」 なるほどそれが「空気」につながるわけだ。 知的好奇心が満たされますね。
長い時間をかけて少しずつ形式をくりかえすことで、その人のもつ空気ができあがる。学校には校風が、家庭には家風が、それらがゆっくりとこどもを教育する。 主に家庭における教育という視点で、かつての日本にはあったが今では失われつつある文化。教育を紹介している。 元は1980年代に出版された本なので、ここ...続きを読むでいう「今」は既に数十年前のことを指すということ、相変わらず他の本でも見た内容が書かれているということはあるが、日本語を正しく使うことが大切だということが勉強になる。
空気の教育・・・いままで多くの子どもに接してきて、年を重ねるごとに 少しずつ、そのことに気付き始めた私である。 本文の中に・・ 学校は先生と授業で教育するが、それだけではない。 見えない空気が、教室におとらぬ教育をする。 とある。 まさしくその通り!! それは、学校だけではない。もちろん、家庭・会社...続きを読むでも言えること。このことを。心に留めておきたい。
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