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生きている限り、人は何事かをなすことができる 伊東甲子太郎を慕い新撰組に入隊、後に伊東とともに新撰組を脱退した久留米藩脱藩隊士、篠原泰之進。 彼の目を通じて見た新撰組の隆盛と凋落。 伊東が近藤たちに暗殺された後、相良総三の赤報隊に身を投じるも、官軍に弊履のごとく捨てられる。 しぶとく動乱の日々を生き抜いた彼の疾風怒濤の半生を描く。
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Posted by ブクログ
幕末:沢山の若者が命をかけて思想を貫いていった時代、新撰組への見方も変わった。登場人物に中村半次郎が出て来たのには驚いた。時代も変わった最後のシ―ンで泰之進が萩野と松之助と出合って交わす言葉がとても切なく感じた。
史実をもとにした物語。 あいかわらず、どこまでが事実でどこまでが創作なのか分かりませんが、幕末の新選組の物語です。 主人公は篠原泰之進。伊東を慕って、新選組に入隊。その泰之進の目線から語られる新選組。 新選組内の内紛、それぞれの想いが描かれています。 伊東が近藤たちに暗殺されると、泰之進は仇を討つ...続きを読むため、近藤を追います。 全体的に、盛り上がるシーンはありませんが、その時代がわかります。 土方、近藤、斎藤と出てきますが、斎藤の描かれ方が単なる殺人者としていないところが、興味深いです。 新選組を脱退し、激動の時代を生き延びた泰之進。 最後はハッピーエンドでよかった
クライマックスにかけるが最後はジーンと来た 淡々と描写されているタイプで新撰組がどういう組織なのかを作者の主観的だが筋道に沿った解釈で窺い知ることができた
副題「新撰組 篠崎泰之進 日録」 葉室麟さん去年の12月にお亡くなりになってしまいました。 実は本の貸借する友人が好きで読んだのを貸してくれるのと、 夫が作者初期の頃好み、家に本があったりで、かなり読んでいます。 (たしか、わたし葉室さんはもういい、といったような 笑) でも、もう作品...続きを読むは増えないのですね。 司馬遼太郎さんような強い個性ではなく、臭みがないというのでしょうか、 さわやかな人間観察なのにちょっとおかしみのある描写、真摯な筆はこび。 この本の解説(朝井まかて)によると 葉室さんも司馬さんに啓発を受けていらっしゃったそうです。 「新撰組」という、映画に芝居に超有名な幕末の組織を 近藤、土方、沖田というお決まりの登場人物が中心ではなくて、 組織が瓦解する後半を篠原泰之進という人から見ています。 あの幕末はほんとうに混とんとしていたのですね。 武士社会が崩壊して、農工商の人々が武力修行して台頭できる世界。 でもそれは弱肉強食、邪魔者は殺して自分が生き残るっていう世界でもありました。 新撰組はそのモデルのような組織で、思想などあってないようなもの、 結局権力欲に収れんし、崩壊の憂き目を見るのです。 新撰組はちょっとアウトローな組織、と思ってましたが、 幕末に一つの役割は果たしているわけで、 作家が描きたくなるのも、もっともとわかりました。
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