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日本全土がフィーバーに沸いた中学生棋士・藤井聡太四段の登場と破竹の29連勝。中学生棋士はこれまで5人現れ、これまでその全員がトップ棋士として活躍した。早熟な才能はいかにして生まれるのか、その謎に迫る。
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Posted by ブクログ
2017年、三浦事案で谷川会長から佐藤康光会長への移行や佐藤天彦名人のポナンザ2連敗があったものの、全体としては藤井聡太四段の大活躍と羽生善治永世七冠の誕生で明け暮れた感があります。谷川浩司 著「中学生棋士」、2017.9発行です。加藤一二三、谷川浩司、羽生善治、渡辺明、藤井聡太の5人の中学生プロの...続きを読む生い立ちと道筋を描きながら、将棋の才能と何かを探らんとした書です。著者は、将棋であれ何であれ、才能開花の鍵は、本人がいかに一つのことに情熱を傾け続けることができたかではないかと。この本の主役は藤井四段です!
藤井四段憧れの谷川九段が藤井四段を中心とした中学生棋士たちを書いた。自らも中学生棋士だった谷川九段が才能や進学などについてふれ、子育て世代にも向けた内容となっている。ライバルの羽生二冠への思いなども書かれており、ファンやこれから将棋を知ろうとする人にとってはてんこ盛りの一冊。しかも読みやすい。谷川九...続きを読む段の謙虚な姿勢も感じられて好感。
藤井聡太君フィーバー(この言い方って古い?)の後、関連本がどっと出たが、考察の深さという点ではこれがピカイチではなかろうか。自らも中学生でプロ棋士になった谷川九段が、才能というものについて考えを述べているのだが、これが非常に説得力がある。藤井君みたいな「天才」って生まれつきなのかと思いがちだけど、著...続きを読む者は、はっきりそうではないと言う。 「才能というと、何かキラキラと輝くイメージがあるが、むしろ、どろどろとした情念的なものだという気もする。 情念や熱意に支えられ、継続的な鍛練を重ねたことで結実したものを、私たちは才能という言葉で説明しているのではないか。人間の才能を論じるときは、単に人には『向き不向きがある』ぐらいに考えた方がいい。 早熟な才能とは、幼いうちに自分に向いていること、やりたいことがはっきり見つけられる能力ともいえる。 一つのことを長く続け、知識や経験を積み重ねていくこと。それも単なるルーティンワークではなく、日々新鮮な気持ちで取り組めること。しかも、それが苦にならない。 才能といわれるものの本質はそういうところにあると思う」 なるほど、確かにそうかもしれない。「才能がある」人とは、天分があるだけでなく、自分に向いていることに出会い、それに並外れた情熱をもってとことん取り組める人のことを言うのだろう。将棋に限らず、スポーツや芸術の分野でも、幼い頃から鍛錬することの重要性が良く言われるが、打ち込めることに出会えるかどうかが大事なんだろう。「才能とは結局、自分が好きなことに時間を捧げることが苦にならない情熱の深さの度合いなのだ」ともある。紛れもない才能の持ち主が、実感的に述べている言葉だけに、深く腑に落ちるものがあった。 藤井聡太君に関して多くの筆が割かれているが、他の「中学生棋士」(加藤一二三・羽生善治・渡辺明)についても、著者にしか書けないだろうなという率直な記述があっておもしろい。羽生竜王が例外的に長くトップ棋士であり続けているのはなぜか、いくつかの要因を指摘しているところや、これに対して渡辺棋王が「自分の時代」を築けていないのはなぜかを考察しているところなど、非常に興味深かった。
中学生出身の棋士、藤井聡太、羽生善治、渡辺明、加藤一二三、そして自身について分析した一冊。 最初、藤井聡太の家にまで行って調査しているところに、彼自身の本気度を感じた。 そして、他の中学生棋士に対する分析も、当事者だけあり、的確に思えた。
藤井四段フィーバーが落ち着いたこの頃。将棋界のレジェンドたちはどのようにみていたのか気になっていた。 天才とは熱中し続けられる人というのには納得。そしてまわりの環境も大事。 子育て論としても必読。 中学生棋士は5人とはいえ、時代背景が様々だし、環境もハイテクになった現代、好きで熱中できればどんな分野...続きを読むでも天才が沢山生まれそう。
中学生でプロ棋士となった、加藤一二三、自身、羽生善治、渡辺明、藤井聡太、5人を取り上げている。ただし全217ページの内、129ページを藤井聡太7段(当時、4段)に費やしている。 谷川浩司は藤井聡太が初め目指した名人であり、人柄も真面目らしく、語り口は爽やかである。 藤井聡太の史上最年少デビュー...続きを読む、公式戦29連勝、幼年時代のエピソード等、現在までの活躍を観ると、何度読んでも更に面白い。 自身や他の中学生棋士の評伝で、優れた成績を挙げながら、勝負の世界の厳しさに、心の葛藤のある事が知られる。
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