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ナンパは自傷。社会への復讐?あるいは救い?会社員、美容部員、風俗嬢、大学院生、ダンサー……クラブで、路上で、女性たちに声をかけ続ける。ナンパは惨めな自傷行為だ。それでも、挑まずにはいられない。得体のしれない他者と一瞬つながり、離れていく。人と分かりあうということはどういうことなのか。人との断絶やさびしさを、どのように抱えていけばいいのだろうか。ナンパを通して辿りついたコミュニケーションの小さな萌芽。
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Posted by ブクログ
ナンパは自傷 なんとなく、傷ついてきた人なんだろうなという雰囲気。だけど、過去は前半に語られることはなく、淡々と声をかけていく。傷つけて、傷ついて。どこに流れて行くんだろうかと読み進めていくと、行き着くとこまで行くんだけれど、だからといって何か得るものがあるというわけでもなく。それがリアルで、いい...続きを読むなと思う。
他人の弱さを受け入れることで、自分の存在意義を見出そうとすることはたぶんよくあることだと思う。 ほとんどの人は、自分の弱さも他人の弱さも受け入れることなく、目をつむり、見えないものとして扱うことで、健康に生きている。たぶん著者は、自分の弱さを受け入れることができ、そして、弱さを埋めるために他人の弱...続きを読むさを受け入れようとしていた。 もし著者(彼)に弱さを見せる彼女が、著者との関係の中で強くなることがあるなら、彼は存在意義を見つけることができるし、彼女もまたコナトゥスを強化するという相乗関係ができあがるだろう。それはとても強靭な関係なように思う。 しかし、彼は彼女を変えることはできない。 おそらく彼女が目指すべきなのは依存関係ではなく自律であり、彼の寛容さは自律のきっかけにはなってもその本質を構成しえないからだ。 ナンパは自傷だと、帯にも書かれていたが、外界の自己への侵入の痕跡を望んだところで、弱さが本質的に消えるわけではない。
街で女性に声をかける。 気が合えば食事をしたり酒を飲んだり、体を重ねる。 たくさんの人とつながっても、つきまとう悲しさ、寂しさ、虚しさ。ずっと救われない。
心に足りない何かを満たすため、六本木、渋谷、新宿等でナンパを繰り返す男。ナンパがうまくいった場合でも足りない何かは満たされず、次の相手を求めてまた街へ出ていく男。 物語は静かなまま進んでいくが、自身のブログを通じて出会った大学院生、悠とは次第にお互いを気づけ合う関係に。 ついつい読み進めてしまうが、...続きを読む心理描写の細かさゆえ、主人公のこじらせっぷりにちょっとイラつく。 もっともこじらせているからこそ、小説になるんだけどね~。
エッセイっぽくもある。いちおう小説なのか? そんなに面白くはないが、独特の語り口で妙に心がしんとする文体だった。 露悪的なところもある。
自分との向き合い方が壮絶なまでで読んでいてハラハラした。しかし行為そのものは女の子を雑に扱っていて人でなしで、いいとこどりのつまみ食いで、ひどい。しかも心や体を開放してくれた女の子を蔑み、嫌悪することすらある。ひどいと思いながらも、とても誠実に描写していて分からなくもないのが怖い。自分に対して誠実...続きを読むであっても他者に対してはまったくそうじゃなくずるくて卑怯な主人公であった。 どこまで行っても自分本位でしかないのかと思っていたら、メンヘラの女の子と深く関わっていくので非常にハラハラした。そんな地獄めぐりのような小説でとても面白かった。 洋服やメイク、歩き方で人を値踏みするような輪には絶対に入りたくないと心底思った。入った時点で負けだ。
主人公は「ナンパ」という他人への行為を通して自分の世界を広げていき、自己分析も行っていきます。 様々な女性をナンパすることによって自分の世界が広がると信じている主人公にはどこか虚しさを覚えましたが、ナンパする恐怖を抱えながらも、自分を変えるために女性に声をかける姿には勇気をもらい、感心させられまし...続きを読むた。 自己分析がとても進んでいて、自分の「負」の部分からも目を逸らすことなく、静かに受け入れている姿も凄いと思いました。
途中までは面白かったが、物語の最後で出会った女性・悠に引っ掻き回される主人公の姿を想像すると、嫌な気持ちになった。
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高石宏輔
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