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時は豊臣秀吉の天下統一前夜。肥後国田中城では村同士の諍いの末、岡本越後守と名乗る男の命が奪われんとしていた。だが、そこに突如秀吉軍が来襲。混乱に乗じた男は武器を取り応戦、九死に一生を得る。その戦いぶりを見込んだ敵将・加藤清正は、最愛の女性を人質に軍門に降らせ、越後守を朝鮮の陣に従軍させるが―。
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Posted by ブクログ
「本屋が選ぶ時代小説大賞」との帯に誘われ読んでみたらめちゃくちゃ面白かった。こんなに心踊る話は久々。どこまで史実に則っているのかな?
面白かった。 加藤清正、朝鮮派兵がこのような形で描かれるとは思わなかった。 たけも魅力を感じたし、もののふに最後までこだわった岡本越後の魅力も素晴らしい。岡本越後の行動が良いとわかっていても、できる人はいるだろうか?
豊臣秀吉の家臣で、肥後の国を統治することになった加藤清正と肥後の国で育った岡本越後守による対立を描く。 岡本越後守は、肥後の国が負けた時に、加藤清正が肥後の人を蔑んだことが許せない。 岡本越後守は自分よりずっと身分の高い加藤清正に、武士としての道を説く。 「おのれが敗北するかもしれぬとの思いを胸に...続きを読む宿す者は情けを知り、弱き者、敗れし者にも恥をかかさぬよう気遣うもの。相手に恥をかかせることは、おのれが恥をかくこととすら思うのでござる。その心得こそが、もののふの道にござりまする。」 「目の前の敵を討ち果たすばかりならば、ただ強ければようござる。多くの兵と多くの鉄砲を集め、策をめぐらして敵の意表をつき、罠に陥れればそれですみましょう。されど、敵が治めていた土地と人を手に入れんとするならば、こちらは道を持たねばなりませぬ。武士としての道を。」 そして岡本越後守は自分のもつ憎しみに向き合いながら、武士の道を貫く。正しい生き方を説く岡本越後守の言葉一つ一つには重みがあり、人を惹きつける。 岡本越後守に周りの人々は圧倒され、ついて行く。武芸や戦法に長けているだけでなく、人としての魅力があったからこそ人々はどこまでも喜んでついて行った。戦国の世の武士たちの人間物語は今の時代とはかなり異なり、とても面白かった。 また、2度にわたる朝鮮出兵について秀吉の意思と重鎮の大名たちの意向の相違や時代の背景を知ることができ、興味深かった。
骨太な時代物を読みたかったので読んでみた。 タイトルの通り、二人のもののふ莫迦の対比を中心に物語が進んでいく。一人は加藤清正。当然のごとく史実に実在した人物である。一方は岡田越後守という架空の武士。互いが信じるもののふの道のぶつかり合い、違う立場で反目し合いながらもわかり合っていく。戦乱の時代に翻弄...続きを読むされつつも強烈な個性を発した男たちの物語であり、濃いキャラクターが印象に残る。 時代設定として、豊臣秀吉が勢力を拡大し、天下統一を果たすところから、二度に渡る朝鮮出兵が描かれる。特に朝鮮出兵の朝鮮半島での戦いをここまで詳しく描いたものは初めて読んだので、とても新鮮に読めた。とくに中盤から後半にかけては蔚山城の籠城戦が描かれているが、互いに凄惨を極める戦いで、読んでてとても痛々しい。 この物語の語り部役として登場する粂吉という男も時代に翻弄されまくりで、気の毒になるほどだ。 今の平和な時代に生きててよかったと思う。
秀吉による九州平定戦の折、若き加藤清正の肥後武士への敬意を逸した対応を「もののふの道」に外れた行為であると怒りを露わにする岡本越後守。他の国衆は圧倒的な兵力に屈し戦わずして本領安堵を望むも、越後守は徹底抗戦を主張し出奔。その後、佐々成政による両国経営の失敗により一揆が多発する肥後国。秀吉の命を受けた...続きを読む加藤清正は一揆鎮圧に向かうがそこに立ちはだかるのはまた越後守であった。清正と越後守。二人の武士の道をめぐる心情の描写、人間ドラマが実に面白い。
出だしはなかなか話の展開もなく読み進むめるのに時間がかかったが、中盤からいっきに話が面白くなり、あっという間に読み終わってしまった
加藤清正の話を読んでみたく検索したらこれがについたので読んでみた。 確かに加藤清正は出てくる。主人公のライバル的存在として。 本作の主人公、岡本越後守が己のもののふの道を全うせんとどのような境遇に落ちても我を貫き通し、やがて周りを感化し巻き込んでいく。 熱い!奇妙な偏屈野郎にみえる男が、戦とな...続きを読むると鬼神のような戦いぶりを見せ、それに感化され周りがどんどん活気づき劣勢を挽回していく様が読んでてわくわくしてしまう。 相手が誰であれ自分の信念を曲げず、その結果どんな酷い状況に陥ろうとも周囲の者を味方に引き込んでいってしまカリスマ性がすごい。
歴史物や時代小説と言われる作品において所謂、痛快な戦物にあたる作品である。 ただ主人公が信念としている事が「もののふ道」、日本の武士道であり、その極端さが作品の面白みになっている。 ストーリー展開や構成も中々優れている作品だと思う。
もののふについて、こだわった物語。展開は面白く、ぐいぐい読んでいった。もののふが何かと言うことについて、解釈がいろいろあるのかな。(イメージが違った)
どうして秀吉が朝鮮半島に攻め入るということをしたのか ということをこの本で趣旨としてはいないが しかし歴史的には加藤清正らがそこで戦をしたのである 戦争は当然、残虐非道なのである 秀吉の九州制覇から始まった、この物語の主人公「岡本越後守」(才蔵)」の 男気・カリスマ性を軸にして非道の道を良くも悪...続きを読むくもまっしぐらの戦国時代もの 秀吉もそうだが、一度手に入れた権力は死んでも手放したくないという 我執の醜さがこの小説を読んで浮き彫りはっきりしたことだけは確か
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