日本の弓術

日本の弓術

的にあてることを考えるな、ただ弓を引き矢が離れるのを待って射あてるのだ、という阿波師範の言葉に当惑しながら著者は六年の歳月を過ごし、その体験をふまえて講演を行なった。ここには西欧の徹底した合理的・論理的な精神がいかに日本の非合理的・直観的な思考に接近し遂に弓術を会得するに至ったかが冷静に分析されている。

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日本の弓術 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2020年11月29日

    日本人は何でも「道」にしてしまう。
    茶道、華道、へたすればラーメン道、とか。

    道、とはなんだろうか。ざっくり、ストイックに突き詰めて無我の境地に至る、みたいなことだと日本人なら感覚的に理解できる。
    その中でも、弓道(弓術)というととくに何か神秘の香りがする。

    ここに合理の権化のようなドイツの哲学...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年08月19日

    面白かった。こんな本もあるんだなぁと思った。
    昭和初期、東北(帝国)大学に職を得たドイツの哲学者が、日本の文化を深く知るために弓術を習うという体験を本国で講演した時の日本語版。
    日本の武術は禅の影響を受けているため、日本の神秘性を理解するには武術を習うことがよいと勧められて弓術を始められたとのこと。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年01月06日

    ドイツ人がここまで素直に日本古来の弓術に専心してその本質を会得するとは、非常な驚きである。スティーブ・ジョブズが本書を愛読していたとのことであるが、西洋の人から見ると、本書で描かれたような道の究め方はある種神秘的に見えるのであろう。

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    Posted by ブクログ 2016年12月31日

    今年読んで良かった本の1,2を争うかも。

    ドイツ人が日本の弓道家に弟子入りして、
    日本の深淵なる禅を学ぼうと試みたという話。

    弓を射ることは弓と矢とをもって射ないことになり、
    射ないことは弓も矢もなしに射ることになる。

    身震いがした。

    薄い本ながら内容は非常に濃いものになっている。
    余裕のあ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年10月22日

    薄い本ですが、読みごたえがあります。東洋的な精神文化の根本を「禅」の中に見出そうとする著者の思いが詰まった本です。心に残る一冊であることは間違いがありません。弓道とは、これほどまでに精神修養の面があるとは知りませんでした。日本人の深い精神性について知ると共に、日本人が古来から培ってきた自己の内面との...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2016年10月10日

    「射るように射てはならない」「百発百中よりも百発成功」「有から無に入る道は、かならず有に復って来る」「逆の方向から考える(的の方が自分にくる?)」といった含蓄のある言葉が並ぶ。
    体得にかなりの時間を要し、かつ、体験しないと領域においては、言葉による表現よりも、自分と向き合ってその所作を続ける&quo...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2015年12月09日

    昔の著書であるが、弓術に禅との関係性を実践から感じ取った1冊を読むことができてとても良い時間でした。
    日本の良いところはまだまだたくさん身近にありそうです。 今日も座禅をして心と会話をします。

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    Posted by ブクログ 2014年08月11日

    奇特なドイツ人哲学者が奇跡的に弓術を志し貴重な師匠に出逢い、その体験を帰国後講演したものを邦訳した奇書。この薄い文庫本の存在そのものが本書でも何回も繰り返される「非有の有」みたいに感じられます。堅牢な論理を背景に持つ学者が神秘的合一に魅入られ精神修養に立ち向かい理解より体感を重視する過程に煩悶してい...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年12月23日

    そこで私は、「無になってしまわなければならないと言われるが、それでは誰が射るのですか」と尋ねた。すると先生の答えはこうである。ー「あなたの代わりに誰が射るかが分かるようになったら、あなたにはもう師匠が要らなくなる。経験してからでなければ理解のできないことを、言葉でどのように説明すべきであろうか。

    ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2013年10月08日

    奇跡的な名著です。

    一方、歴史的にはじつに不幸な運命の書でもあります。

    「弓術と言えば弓を一種のスポーツの意味にとり、したがって術をスポーツの能力の意味にとるのが、まず手ぢかなところではないだろうか。」

    と、はじまる本書は、1926年(大正15年)たまたま来日していたドイツ人哲学者オイゲン・ヘ...続きを読む

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