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望まれぬ子として生を享けた美しき少女フサは、十五の春に運命の地へと旅立つ――
三部作『岬』『枯木灘』『地の果て 至上の時』の前史となる、過酷な運命を力強く奔放に生きた母の物語「鳳仙花」。
若死にの宿業を背負う中本一統の荒くれ者達を、路地唯一の産婆オリュウノオバが幻惑的に語る『千年の愉楽』より「半蔵の鳥」「ラプラタ綺譚」。
他、虚実のあわいを描いた怪奇譚『熊野集』と、神話の源である故郷を活写したルポ『紀州』より五編を収録。
作中登場人物系図他、充実の参考資料付。
【ぼくがこれを選んだ理由】
わずか一世代前、人はこんなにも奔放に生きていた。恋情も憎悪も今よりずっと強烈に作用した。今の貧血の時代に中上健次は危ないかもしれないが、だからこそ彼が読まれるべきなのだ。彼の世界への入口として、奔放な女であり強い母であるフサの物語を供する。(池澤)
参考資料・年譜=市川真人
解説=池澤夏樹
月報=東浩紀・星野智幸
Posted by ブクログ 2015年06月15日
全集で難しいのは数多ある代表作の中から何を選ぶかということだろう。中上といえばよく引き合いに出されるのがアメリカ南部にある架空の地ヨクナパトーファ郡に起きた多くの人々と出来事を描いたウィリアム・フォークナーのヨクナパトーファ・サーガだが、中上がそのサーガの舞台としたのは、架空の場所ではなく彼の郷里で...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年02月28日
初めて中上健次氏を知り、著書を読みました。
和歌山の古座・串本・大島・新宮あたりの
どろどろとした日本的な村落の風景が感じ取られる
ような作品。むかし白浜に向かう42号線の風景が
少し重なる感じを持ちました。
日本の昔の風俗というか、愛憎や愛欲などが克明に
多く語られているのですが、少々食傷気味です...続きを読む
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