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数学を“教養”として身に付けたい。苦手意識はあるけれど、理解する喜びを味わってみたい──。そんな世間一般の期待に応え、半世紀以上にわたり愛読されてきたロングセラー。ユークリッド幾何の体系、微積分の概念、数学の基礎づけ、確率・統計などの重要なトピックについて、歴史的背景を辿りながら解説。叙述は丁寧そのもので、紙と鉛筆は必要なし! 文章をじっくり追うことで、おのずと数学への理解が深まってゆく。『零の発見』と双璧を成す数学入門の古典的名著。
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Posted by ブクログ
数学の壮大な歴史を紐解きながら、その動因と繋がりを示す名著。数学への興味がないとつまらないだろうが、私にはどの章も面白かった。 ユークリッドの幾何学の具体的な証明、代数学の萌芽、解析幾何学、微分法、取り尽くしの方法、ヒルベルトの公理主義、非ユークリッド幾何学、脱皮した代数学、直線を有理数で切る実数...続きを読むの概念、集合、濃度、証明論、確率
ユークリッド幾何、微積分から数学基礎論まで概念的なところから数学とは何かを解説する。数学の学問としての面白さに触れることのできる本。 大学で数学を学ぶとあれよあれよという間に抽象化の度合いが高まっていく。新しい概念を手に入れると何とも言いようのない高揚感を感じることができる。その一旦を初学者にも何...続きを読むとか理解してもらいたい、そういう思いで本書は書かれているように思う。高揚感を感じるには一定の努力は必要だ。だから、教養としての数学云々…と帯にはあるが、この教養は、昨今、流行のお手軽で日々の生活に役立つような教養ではない。もっと重厚で役立たずでそれでいて理解するためには読者に努力を強いる教養だ。 数学なんて役に立たないとある人はのたまう。しかし、役に立たなくたって、いや役に立たないからこそ、数学はこんなに面白い。(ところで、役に立つことばかり追いかけてしまうのは何故だろう?)有理数の切断として実数を捉えることで何かが変わるわけではない。でも、有理数の切断として実数を捉えることができればそこにある種の感動があることは間違いない。
永らく単行本で読み次がれてきた名著の文庫化は嬉しい限り。"素人でも数学を楽しむことができることを説明したい"と冒頭に書いてある。数学書を読むときは紙と鉛筆を手元において図や計算を確かめながらというのが一般的だが本書はその必要がないともある。云わば人類が歩んできた道程を綴った短編集...続きを読む。接戦の考えから微分法へ、面積の考えから積分法へ、両者を繋ぐ代数学の基本定理へ、記述が淀みなく進む。結果がガチガチで誰がやっても同じと思われる数学という学問が実はヒトによって考えが大きく異なる極めて人間臭いモノだと感じられるはず。
この本を読んで初めて数学というものを知ることができた。数学をもう一回勉強し直したいと思わせる本だった。 昔は数学の厳密さにイライラしたが、今はその厳密さをきれいに感じる。
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