ボラード病

ボラード病

569円 (税込)

2pt

日本中を震撼させた傑作がついに文庫化!

B県海塚市は、過去の厄災から蘇りつつある復興の町。
皆が心を一つに強く結び合って「海塚讃歌」を歌い、新鮮な地元の魚や野菜を食べ、
港の清掃活動に励み、同級生が次々と死んでいく――。

集団心理の歪み、蔓延る同調圧力の不穏さを、少女の回想でつづり、
読む者を震撼させたディストピア小説の傑作。
(解説・いとうせいこう)

「誰も触れたがらないきわどいポイントを錐で揉みこむように突いてみせた、とびきりスキャンダラスな作品」(松浦寿輝)

「この作品に描かれた社会が、近未来の日本に現れないことを願っている」(佐藤優)

「世界をありのままに感じることがいかに困難であるかを描きだした魂の小説」(若松英輔)

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ボラード病 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    すごかった。

    信頼する案内者のおすすめにて予備知識なしで読んだがそれで正解。先入感やネタバレなしで読むべき。

    0
    2023年10月24日

    Posted by ブクログ

    なんて怖い小説なんだ。
    読み終わったあと、背筋がゾッとした。

    冒頭から、薄々と漂う不穏な空気。
    何かおぞましいものをみんなが見ないふりをしていることだけがわかるけど、それが何かはわからない。
    淡々と子供が死んでいく。

    最後の章で、これまでの点々とした違和感が線になる。
    どうして、浩子ちゃんは似顔

    0
    2022年06月29日

    Posted by ブクログ

    これは本当に怖かった。
    ちょうど震災の数年後くらいに読んだのもあって、排他的な街の雰囲気や、異物を良しとしない不穏な感じが常にまとわりついてくる感じ。

    大人になった今、もう一回読んでみたい。

    0
    2023年09月06日

    Posted by ブクログ

    三角をみて、みんなが丸というとだんだん丸になっていく、と書かれていた言葉が印象的。

    同調とか洗脳って自分の考えがなく生きていけるから楽だし、周りからの圧力を感じず生きていけるので、
    ある意味究極の幸せなのかもしれない。

    まぁ気づいた時の喪失感とか虚無感がすごいだろうから、そうはなりたくない。

    0
    2021年08月18日

    Posted by ブクログ

    主人公の少女時代の回想として語られる海辺の復興の町。統制された町。幻想のディストピア。病気なのはどちらなのか?狂っているのは誰なのか?苦しくってぎゅうぎゅうする。薄気味悪くってぞわぞわする。どう生きるのが正しくって、どう生きるのが幸せなのか?エンディングも読後感も悪い。作者の術中に嵌っている。

    0
    2021年02月18日

    Posted by ブクログ

    不愉快な感覚が読んでいる間ずっと続いていた。
    小説内では全てが明らかにされないが、それもまたリアル。
    自分の見ている世界はある意味簡単に変わりうるし、宗教のように思考を委ねることは楽なんだろうな。
    海塚町の閉塞感は昔ながらの共同体の閉塞感というより、なかったことにしよう・自分たちは素晴らしいという新

    0
    2019年04月07日

    Posted by ブクログ

    不穏な描写が続き、なんとも言えない不気味な展開が続く。ディストピア小説として下手なSFじゃなく、震災後の延長上に存在しそうな世界観だったのは良かった。

    多和田葉子の『献灯使』という同じく震災後のディストピア小説も読むと、文学界にも東日本大震災や原発事故が多大な影響を与えていることに気づく。

    0
    2019年02月26日

    Posted by ブクログ

    ここはB県海塚。新鮮な魚や野菜が手に入るこの町で、町民は心を一つに支え合いながら生活し、子ども達は自主性を重んじる学校に通いのびのびと育つ。同級生の急死が若干多い点はさて置き、理想的な共同体から外れまいと必死に努力する主人公の少女だがー。モダンディストピア小説と聞き、真っ先に手に取った本作。ポスト3

    0
    2017年10月06日

    Posted by ブクログ

     著者は芥川賞作家の吉村萬壱さん。震災から復興した町の物語、ディストピア小説等の触れ込みがあり、怖いもの見たさで手にしました。

     物語は、主人公の恭子が小5の頃を回想する形で始まります。舞台はB県海塚市。長い避難生活から戻ってきた人々は、〝結び合い〟で繋がった人たちです。
     ところが、何ということ

    0
    2023年03月10日

    Posted by ブクログ

    最終章はまるで鈍器で頭を殴られたような衝撃があった。全編を通して作中にずっと漂っていた不気味さ、海塚市の気味の悪さがこの最終章で一気に昇華されている。見事な結末。
    こんなに最後の一行で打ちのめされた小説は他に記憶にない。

    主人公の小学五年生の恭子の目を通して描かれた海塚市民の姿がとにかく不気味。得

    0
    2022年06月12日

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