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熊本藩の大秀才、井上多久馬(後の井上毅)は、欧州各国の法律を学び帰国した後、統一した法を持たぬ未開の地として不平等条約を結ばされた日本にも、独自の憲法が必要だと痛感する。憲法草案の研究を進める多久馬だが、諸外国には決してない「二千五百年も続く皇室」の信頼に応えられるか苦悩する……。国のために才を尽くした井上毅の実直な生き方と、家族愛に溢れた人間性を丁寧な筆致で書き下ろした、長編時代小説の傑作誕生!
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Posted by ブクログ
書き下ろし 外つ国の 千草の糸を かせぎあげて やまと錦を織り成さばやな 帝国憲法の産みの苦しみを、井上毅の人となりに迫って描いた作品。 京大法学部出身で司馬遼太郎に仕えた作者の真骨頂と言うべきか。 自由民権運動から生まれた私擬憲法草案があちこちで発掘され、日本史の教科書でも取り上げられて...続きを読むいるが、帝国憲法をどう作るかという苦労について書かれたものは少なかった。 保守性ばかりが強調される帝国憲法を「明治の理想を形にする」という成果の観点で捉え、「この国で生まれ育った誰もが心の奥底に持っているのが国体であり憲法なのだ。」という言葉には感動的な説得力さえある。 憲法改正や、皇室典範の改正までが議論される今、歴史学徒として帝国憲法を学んで来なかったことを恥じる思いだ。六法全書に載っている法律の中で最も読まなかったこの多久馬の力作を読んでみようと思う。
憲法草案を書いた井上毅(多久馬)を中心として描かれる激動の時代を生きた男たちの歴史物語。あの辺の時代の人たちの先輩後輩関係とか友好関係とかよくわかってませんでしたがその辺りの人間模様がわかってとても面白かった。天皇陛下の退位とか女性宮家などいろんな皇室関係の議論が盛んな中で、なんで皇室典範が今みたい...続きを読むな形になったのだろうということも辿れてとても興味深かったです。
伊藤博文は時代の勢いでトップに立った人という イメージだったけど、有能な人だったのかもと思わしめた。明治維新を深く学びたい。
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