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単に新技術を開発することだけが技術経営ではない。社会を変化させるような技術を育成し、製品化する全プロセスを戦略・組織両面から経営することだ。経営戦略の第一人者が実務経験者とタッグを組んで解説。ビジネスチャンスをつぶす「技術の神話」を退治し、イノベーションを実現するための戦略・組織運営・技術者の活かし方を解明する生きた技術経営論。
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Posted by ブクログ
「筋の良い技術を育て、市場への出口を作り、社会を動かす。」 筋の良いってところが肝ですね。 ただ筋の良い技術だけがあっても、収益モデルが無いとビジネスにならないですが。
『そんな技術の神話を超えるためには、技術の持つ意味、技術がもたらす価値を素朴に考えることである。神話でなく現実を見る素朴な観察眼を持ち、技術者のプライドではなく顧客が望むものをきちんと考えることである。その素朴な第一歩が、思考停止から抜け出す道の始まりである。 技術は、顧客の望むものを提供するため...続きを読むの手段である。その平明な事実に立ち返り、技術を武器としてイノベーションを興すための経営のあり方を考える。それが、本書で解説しようとする技術経営(MOT)の最も簡単な定義である。』 魔の川を渡り、死の谷を越え、ダーウィンの海を航海する長い旅を詳しく分かりやすく説明する良書。 ミニケースも内容とリンクしていてためになる。「技術」と「経営」についてよく考えられた論考。
MOTはManagement of Technologyのこと。東京理科大学でイノベーションに携わる御二方による一冊。 研究と開発の違い、馬車をいくら改良して も自動車にはならない等、ハッとさせられる分かりやすい事例に加えて、実際にMOT を屋台骨としている企業のミニコラムも面白い。ソニーにおける...続きを読むCDの開発秘話や、 食品の装置メーカーなのに、どんどん新商品(さける笹かまなど)を作って製作機を売り込んでくるw山口県宇部市のヤナギヤの 事例などが印象的だった。 近視眼的に技術に向かうことが悪い事なのではなく(むしろそのようにしなければ得られないものもある)、課題側からの摺合せを行わずに近視眼的になる事こそ危険なのだという事がよく理解できる一冊。
すばらしい。我々の最高の教科書だと思います。 会社・部署の全員に読んで、ひとつひとつ整理して 認識してほしいと思います。私も含めてですが。 1.イノベーションを経営する。 2.三つのレベルのMOTと現場の学習活動 3.研究開発で技術を育てる。 4.日々の仕事の仕方で技術が育つ 5.技術の筋のよさを見...続きを読む極める 6.技術の大きな流れを俯瞰する。 7.テーマ選択はポートフォリオ思考で 8.コンセプト創造からすべてが始まる 9.製品開発は顧客との行ったり来たり 10.技術を利益に変えるビジネスモデル 11.新事業への初動を工夫する 12.最初のイノベーションのあとが勝負 13.技術外交に知的財産を使う 14.思い入れと思いこみを混同する 15.構想なき繁忙に陥る 16.技術の世界に引きこもる なかでも、 エピローグ:技術者が技術経営者に変身するとき は素晴らしい。 MOTの本質は ①イノベーションが生まれるまでの長い過程では、組織の内外で様々な人間社会の力学がうまれるため、その力学のマネジメントが技術経営の本質の一つである。 ②技術を育て、市場への出口を作り、社会を動かしていくために、組織で働く人々による学習活動をマネジメントするのが、技術経営の本質の一つである。
技術を武器にするための『技術』がある。 そういう内容の本。 当たり前のことかもしれないけど、当たり前を当たり前にできたら、尋常ではない。
MOTについて分かりやすく解説しているが、イノベーションをどう起こすか?というところはやはりコントロールできないようだ。ただ、本当のイノベーションが事業の成功に絶対必要な条件ではなく、技術の目利きが大事というのは一理あると思う。いいコンセプトを創造できるように視野を広く持ちたい。
理に偏りすぎず、情にも通じた技術者たるべき。専門の域に留まらず、少し離れて客観的に見るべき。上位概念の構想を時間軸や規模を変えた視点で行うべき。
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技術を武器にする経営--日本企業に必要なMOTとは何か
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伊丹敬之
宮永博史
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