最後の資本主義

最後の資本主義

ライシュの提案する、新しい資本主義の形。政府か市場か、の二者択一ではなく、市場メカニズムの根幹となる市場のルールを見直すことで、資本主義を壊すことなく、サステナブルな資本主義を構築できる。
市場メカニズムのルール自体が、勝者だけが勝ち続け、富が一方的に上方に移動するような仕組みになっている。ここにメスを入れずして、ゲーム終了時の所得再分配の率だけを議論しても意味がない。ルールそのものを、そして資本主義そのものを、一部の勝者のためだけに利するものではなく、大勢の人が生き残っていけるようなものにしていこう。
このままでは、人間の働くことの価値はますます小さくなり、稼ぐことのできるものは資本のみとなってしまう。技術が発達し、ロボットがどんなにすばらしい財・サービスを提供できても、それを買うことのできる層は消滅する。そしてロボットが代替するのは単純労働だけではないのだ。頭脳労働でさえも、ロボットにとって代わられる時代が来ている。
今こそ、新しいルールの下で資本主義を立て直さなければならない。そうでないと、資本主義はその土台部分から壊れてしまう。

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最後の資本主義 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    政治献金や天下りをエサに自分たちに有利なように市場のルールを変更する各業界の強欲さに呆れ返る
    法律の成立を妨害し、法律を骨抜きにし、あるいは執行させないよう予算を削らせる
    身勝手の極地だろう
    歪んだ資本主義ではなく、資本主義を歪めたのだ
    こんな市場を誰が信じるというのか
    ビジネスマンとしても大統領と

    0
    2017年12月22日

    Posted by ブクログ

    ライシュ氏の本はすでに日本語版で何冊か出ていますが、2017年時点では本書が最新になります。原題はSaving Capitalism、つまり資本主義を救え、ということです。ライシュ氏の主張を一言で言えば、今の資本主義は大多数の人間のための仕組みではなく、少数の富める人間のためのシステムになってしまっ

    0
    2023年04月30日

    Posted by ブクログ

    資本主義の根幹である自由主義は、所有権、独占、契約、破産、執行の5つで構成されているが、それらは富裕層、大手企業に利するようにルールが歪められており、中間層が没落しているというのが、本書の一貫した主張。
    市場の失敗を抑制する手段として、公共事業の実施、財政政策、などの政府による介入があるが、政府自体

    0
    2022年08月21日

    Posted by ブクログ

    拮抗勢力の衰退、労働組合、中小企業
    ※健全で信頼されるカウンターパワーが必要
    グローバル化と技術革新は遠心力を持つ、繁栄を分かち合うための抜本的手段が必要
    ステークホルダー資本主義対株主資本主義、ステークホルダー資本主義を勝利させなければならない。
    新たなルールの構築が必要

    0
    2017年12月06日

    Posted by ブクログ

    「暴走する資本主義」から10年。その後も富の格差は広がり続けている。本書のテーマは一貫して自由経済と政府の対立軸がなくなっていること。資本主義は自由経済によって健全な競争が保たれる前提だが、資本主義の勝者がゲームに勝つことよりルール(法律)を変えることを優先した場合、富は適切に配分されずに一部に集中

    0
    2017年05月13日

    Posted by ブクログ

    この世のどこかに「自由市場」という概念が存在しており、そこに政府が「介入する」のだ、という考え方ほど人々の判断力を鈍らせるものはない。政府なくして自由市場は存在しない。文明とはルールによって成るもの。

    法律のどこを見ても、「株主が企業の唯一の所有者であり、したがって企業の唯一の目的は彼らの投資価値

    0
    2017年03月28日

    Posted by ブクログ

    25年ほど前に著者の本「ワークオブネイション」を大学時代に読み21世紀はグローバル化が進み、国家の最大の役割は人材をつくることになる、そしてもっとも付加価値の高い人材はシンボリックアナリストと呼ばれるものをつくるのではなく概念的思考をする人になる、という内容に衝撃をうけて自分のその後の職業観、就職に

    0
    2017年03月05日

    Posted by ブクログ

    米国で格差が広がっているのは、ウォール街などの富裕層が共和党だけではなくビル・クリントン大統領あたりから民主党にも膨大な献金を行い、富裕層に都合の悪い法律(グラススティーガル法など)は次々に骨抜きにして、特許権の延長などは富裕層に更に利益をもたらすように改訂して来た結果であり、神の見えざる手の所業で

    0
    2017年01月29日

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