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舞台俳優・家福をさいなみ続ける亡き妻の記憶。彼女はなぜあの男と関係したのかを追う「ドライブ・マイ・カー」。妻に去られた男は会社を辞めバーを始めたが、ある時を境に店を怪しい気配が包み謎に追いかけられる「木野」。封印されていた記憶の数々を解くには今しかない。見慣れたはずのこの世界に潜む秘密を探る6つの物語。村上春樹の最新短篇集。
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Posted by ブクログ
個性的で、かつ現実的に思えるような物語になっていて、そういう考え方もあるんだなと思ったし、 ゾワっとするレベルのドンピシャな比喩表現で惹き込まれた1冊でした。
村上春樹の小説は読後感がとてもいい。さっぱりした気分になれる。 木野も良かったが、シェエラザードが1番良かった。男にとって女とは、女なんて、やっぱり女。
村上春樹さん 文藝春秋2016年10月発行 短編6つ 読んだあとちょっと寂しさが残る物語 ・ドライブ・マイ・カー 専属運転手みさきの本籍地「北海道上十二滝町」って「羊をめぐる冒険」では十二滝!なんか嬉しい ・イエスタデイ 聞いたことはないけど、へんてこな歌詞がとても気になる… ・独立器官 恋煩い...続きを読むで亡くなってしまう その選択は、身近な人にはとても辛い ・シェエラザード 片思いの彼の家に、あえて留守に行ってしまうところは、ドキドキする ・木野 路地の奥の小さな酒場で、古いLPレコードを聴きながら過ごしてみたかった ・女のいない男たち なにはともあれ、電話をもらったせいで思いを巡らせる…そうでなければ、思い出さないか
(ドライブ・マイ・カー感想) 村上春樹の小説ってどうしてこんなに感想を書くのが難しいのだろうか。セックスについて語る事もままあるし、浮気(?)のようなテーマを扱う事も多い。しかしとても上品でメロドラマのような下品な感じは無い。いつも思うのだがこの人は文章から作者がどんな人物なのか掴めない。いや掴めな...続きを読むい人物だということが感じ取れる。何事もしっかり受け止めてから過去に流しているというか、落ち着き払っていて達観しているのかと思えば弱い人間を描く事も出来るのが不思議というか。雲を掴むような、霞を食らっているような文章で酷い言い方をすれば印象に残らない、のだが言外の余韻のようなものが心地よくて結局読んでしまう。読むと、一種の禅のように、自分が抱えている焦りを煙に巻いてくれるのがこの人の作品の良い点なんじゃないかと現時点で結論付けたい。ドライブ・マイ・カーの感想というよりはこれ以降の彼の作品の感想を作る肩ならしをさせて貰った。 (独立器官感想) 劣等感だとか、反権威的な感情だとかがやる気を失うくらいに上品な文章。医師の謙遜や悩みは本来唾棄すべき、神経を逆撫でされるようなもの。でもその生き方が普通でないというだけで、本来は尊敬に値する人物だということ、そのような完全に近い人物が弱みを見せているということに対して一般人の自分も親しみを覚えずには居られない。 (木野感想) 煙草の痕だらけの女とかの流石にフィクションだろうけど現実世界のどこかには存在してそう、という純文学然とした感じが好き。バーで読書するの影響されてやっちゃった。
最後の編「女のいない男たち」は、誰しもに読書を楽しいと思わせてくれるような、痛烈な村上春樹節が散りばめられていた。読んでいて気持ちいい文章。
村上春樹は言い訳がましくなるのを避けているようだが、残念ながら村上春樹は言い訳がましい。そこがまた潔い。
いちばんかもしれないと思える作品だった。 村上春樹の文章には読者のための「スペース」が用意されていて、各々の過去を思い出しながら自分なりに共感することができる(少なくとも私は強い共感や親近感を感じている)点がひとつの大きな魅力だと思っている。本作は、強く思いをかけた女性を失うことという主題で、その色...続きを読むが比較的強く現れていたと思う。 イエスタデイが1番好きだった。 『そしてあるときには、一人の女性を失うというのは、すべての女性を失うことでもある。』
題名のとおり、女のいない男たちに関する短編小説。読み終わり、なぜか昔の彼女を思い出した。ドライブ・マイ・カーが切なくもスッキリする不思議な感情になった。
木野や、シェエラザードは流し読みしてしまった それでも素晴らしい短編集だった。 僕たちはいつも、彼らの横に立ち、彼らの揺蕩う姿を見て自分に重ね、彼らの共感者として夢想する。 そんな小説だった。 特に好きだったのは、イエスタデイ、そして女のいない男たち。 イエスタデイに出てきた女性は強く、そして...続きを読む脆く、危うい存在だった。それでこそ確かにそこに立つ実感を得ようとしている存在に理解を示すことができた。あるいはわかった気になっているだけなのかもしれない。 そして、戻ってきた時には少しズレた場所に立っている、この表現もすごく好みであった。 女のいない男たちではこの本の読み方を享受する。 僕たちはある種何かがかけたような存在を見てきた訳だが、それは自分がいちばんの理解者であり、2人目の犠牲者になったということ。 古典的な表現方法で、観客を、読者を強制的に参入させる。それは解釈を問わせる村上春樹だからこそもう一段階深い所へ沈んでるように思えた。 ドライブマイカーでは、失ったものはどこにももう戻らないということ、そして人間には自分にすら見ることの出来ない窪みのようなサイコロで言う裏の目のようなものが存在するということを描いた。 キャラクター性が立っていて、主人公は自分の娘が生まれていたならば、その年齢になっている女性。 そしてドライバーは自分の父親が生きていたらならば(彼女にとって)、その年齢になっていたはずの主人公のふたりがそれを思い出すように話し出す構成である。 ドラマ的で、運命的で、それは物語のようである。 (だからこそ映画化するものとして選ばれたのだろう) 自分を見るということ、相手を見つめるということ、そして自分の損なってしまった何かを手繰り寄せるように探し当てること。 やはり欠陥を認識した時点で我々は欠陥から逃れられない、パラレルワールドに迷い込んでしまうのだろう。そして失った何かを探し求めて(そこにはないのに)彷徨うのだろう。 それならば、我々はきっとそれを失ったことを忘れたということすらやはり忘れてしまうべきなのだろうか(女のいない男たちより),はたして。
初めての村上春樹。めちゃくちゃ偏見ですが、音楽、猫、文学的性描写…といったイメージがあって、そして概ね間違っていませんでした。 日本版アメリカンジョークとでも言えばいいのか、例えば、表題作「女のいない男たち」の書き出しのところの「真夜中の電話のベルはいつも荒々しい。~人類の一員として僕はそれをやめさ...続きを読むせなくてはならない。」とか。大袈裟で小粋な感じ。 あと登場人物に漂うやれやれ感。 村上春樹を浴びたーっていうのはこういうことなんでしょうか。 「木野」が特に良かった。 カミタから突如店を閉めろと告げられた場面以降の緊張感が凄くて、ページをめくる速度が上がった。 分からないけど、男性のほうがやっぱりロマンチストで女々しいんでしょうか。 最近どこかで誰かが言ってた「男って、別れた女が自分のことをいつまでも好きだと思ってる節がある」っていうのを思い出しました。 まあ男女関係なく人によるよねって思うけど。
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