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男が運転する深夜バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。
壊れた「家族」という時計は再び動き出すのか――
家族の再出発を描く感動長篇。
第151回直木賞候補作!
故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。
子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。
会社を辞めた長男、結婚と仕事の間で揺れる長女。
人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。
バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長篇。
解説・吉田伸子
Posted by ブクログ 2022年08月29日
高宮利一は新潟東京都間の長距離バスの運転手。東京には料理屋を営む志穂という恋人がいる。彼女と踏み込んだ関係になろうと決めると、間が悪いことに息子が新潟の家に帰って来た。とても具合が悪く、仕事も辞めたようだ。娘は結婚を考える相手がいるが、彼の母親がかなりの曲者。そして別れた妻の具合もよくないようだ・・...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年05月18日
東京でノルマに追われる日々に疲れた男は故郷の新潟県でバスドライバーとして就職。家族とともに人生のやり直しを目指す。
はずだった。
10数年後、男は妻と別れ、夜行バスを運転する生活の中で東京に恋人を作る。妻は再婚するが、新しい家族となじめず体を壊す。子どもたちも社会に染まりきれずモラトリアムな生活...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年12月27日
実は、自分の中で映画が先行しています。
でも、映画とは全く違った印象を持ちました。
リイチさん、新潟の人って感じがする。優しすぎる、待つことに慣れすぎている。でも、そこに人間味が溢れていて、たまらない。
「いこい」に行ってみたい。癒されたいなあ。
この本を読みながら、新潟市を訪れました。高速バスで...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年05月04日
主人公が自分と歳が同じで境遇も似通っていたので、どっぷり感情移入してしまった。
五十歳を目前にしても惑ってばかり、離れた歳の恋人志穂のことも大事に想うばかりに傷つけてしまうも、やっぱり未練がましく思うあたりの心情が分かってしまう。
その辺が歳を重ねても成長できてないんだなあ。しかし最後はどうしても...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年12月08日
子供達も成人し、これから人生を楽しもうと思っていた50歳目前の高速バス運転手。ある日、年下の彼女を自宅に連れ帰ると、東京で就職していたはずの長男が、準備していた食事も布団も勝手に使って寝ている。。。
彼女さんには気の毒だけど、そのあたりから息子、娘、別れた妻等々、いろいろ絡まって話が進む。
全てに共...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年11月06日
評価高いから気になって読んだけど納得。利一が内股膏薬的に揺れ動きまくってて離婚結婚が絡んで複雑で、もどかしい部分もあったけど、家族の気持ちも考えて温かい気分で再出発できた良い本。
家族って難しい。別れた妻との間にも愛情は残ってる(と信じたい)し、新たな生活を始めたいし、自分はよくても周りの義理の父と...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月27日
家族の話は、本当に……やられます。
読み終わって真っ先に思うこと、これは、主人公利一の息子、怜司の物語だと。
怜司の、相手の先を読むような目つきと短い話し方、掻き毟った背中の痕、掃除したあとの窓ガラスの尋常ではない光り方。
何を隠してるのかわからないなか、怜司のことが心配で、心配で……途中で何か...続きを読む
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