辞書になった男 ケンボー先生と山田先生

辞書になった男 ケンボー先生と山田先生

865円 (税込)

4pt

「三省堂国語辞典」略して「三国(サンコク)」。
そして 「新明解国語辞典」略して「新明解」(赤瀬川原平著『新解さんの謎』でブームとなった辞書である)。
二冊ともに戦後、三省堂から刊行された辞書で、あわせて累計4000万部の知られざる国民的ベストセラーだ。

しかし、この辞書を作った(書いた)二人の人物のことは、ほとんど知られていない。
「三国」を書いたのが、ケンボー先生こと見坊豪紀(けんぼう・ひでとし)。
「新明解」を書いたのは、山田先生こと山田忠雄(やまだ・ただお)。
二人とも国語学者だが、「三国」と「新明解」の性格はまったく異なる。

「三国」が簡潔にして、「現代的」であるとすれば、「新明解」は独断とも思える語釈に満ち、
「規範的」。そこには二人の言語観・辞書が反映されている。
本書は、二人の国語学者がいかにして日本辞書史に屹立する二つの辞書を作り上げたかを
二人の生涯をたどりながら、追いかけたノンフィクション。
著者は同じテーマで「ケンボー先生と山田先生」(NHKBS)という番組を制作したディレクター。
同番組はATP賞最優秀賞、放送文化基金賞最優秀賞を受賞。番組には盛り込めなかった新事実や
こぼれおちた興味深いエピソード、取材秘話なども含めて一冊の本にまとめた。
本書で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞している。

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辞書になった男 ケンボー先生と山田先生 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年07月08日

    項羽と劉邦、最澄と空海、信玄と謙信、エジソンとテスラ…そんな歴史上の大人物達で無くとも、同時代に並び立つ二人の天才のライバル関係を描いたストーリーというのは大抵の場合、すごく面白い。

    しかもそれをNHKの番組制作ディレクターという圧倒的に取材力に長けた人がノンフィクション・エッセイとして書いたら。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2021年10月26日


    東大の同期だったケンボー先生と山田先生。
    当初は共に「明解国語辞典」を作っていましたが、ある時を境にケンボー先生は「三省堂国語辞典(三国)」を、山田先生は「新明解国語辞典」を別々に編むようになります。

    二人の間に何があったのか、それぞれどんな思いで特色ある辞書を編んだのか。

    関係者...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年12月29日

    一気に読んだ。実に面白い。「明解国語辞典」から「三省堂国語辞典」と「新明解国語辞典」が生み出された経緯、赤瀬川源平「新解さんの謎」で話題となったユニークな記述、昭和47年1月9日の謎など、全てのエピソードが面白く、言葉というものの深さを改めて認識することとなった。お勧めの一冊。

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    Posted by ブクログ 2019年09月29日

    著者、佐々木健一氏は本書で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞されたそうです。
    平成25年4月29日、NHK-BSプレミアムの特番。
    「ケンボー先生と山田先生~辞書に人生を捧げた二人の男」という番組の取材内容に新たな証言や検証を加えて構成したものだそうです。

    ケンボー先生というのは『三省堂国語辞典』を...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年01月02日

    国語辞書はどれも同じ、一冊あれば十分。と思っていたが、そうではなかった。どの国語辞典にも「個性」があり、その個性とは書き手の「人格」に他ならい、極めて人間味の溢れるものである事を知る事が出来たのは、大きな収穫。さらに、ケンボー先生と山田先生という、二人の辞書編纂者の生き様も大変面白かった。

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    Posted by ブクログ 2018年08月05日

     ちょっと変わった辞書として有名な、新明解辞典(以下新明解)、そして学生向けに作られた三省堂国語辞典(以下三国)、それぞれの辞書を作ったのは2人の男だった。
     山田先生は新明解を作り、ケンボー先生は三国を作った。
     けれども、最初は、明解国語辞典を2人で作っていた。

     辞書といえば言葉の定義がはっ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年01月01日

    辞書編纂者の偉人「見坊豪紀」その人物像がよくわかる。それだけではない。この偉人は、もう一人の偉人「山田忠雄」がいてこの人がいなければまた、ケンボー先生も偉人足りえなかったことがよくわかる。なかなかの快作です。

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    Posted by ブクログ 2016年10月22日

    一冊、面白く読んだ。
    山田忠雄と、見坊豪紀(ひでとし)という、不世出の二人の辞書編纂者の生涯を追った本。
    一時は共に学び、ともに仕事をした二人が、個性の違いや、大人の諸事情により、やがて袂を分かっていく。
    少し切ない部分もある。

    さて、赤瀬川さんの『新解さんの謎』もあって、新明解にはなじんできた。...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年07月28日

    私は三国育ち(見坊先生)。

    仕事と真摯に向き合う先生たちを尊敬せずにはいられない。言葉とは、辞書とは。日常では深く考えない点に思索を巡らせることができるすごく面白いノンフィクションでした。

    でも、この本では触れられていないけど、この人間模様の根底にはこれほど知的を極めたひとたちに対する労働対価(...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2020年03月01日

    三省堂国辞典と新明解国語辞典、2つのベストセラー辞書をそれぞれ生みだした2人の辞書編纂者の人生と描く。大学の同級生であり共同して辞書づくりをしてきた2人が、何ときっかけに袂を分かち別々に歩むこととなったのか。2人の足跡をたどりながら、謎を解いていく。多くの証言をつなぎあわせ、あるいは2つの辞書の語釈...続きを読む

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