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二〇〇二年に同和対策事業が終了した。しかし、それは部落差別がなくなったことを意味するわけではない。インターネット上には、どこが部落か、などといった情報が氾濫している。一方、差別を解消しようとする部落解放運動も時を経て、変化を余儀なくされている。「歴史」から学び、「メディア」によって現在を知り、「地域」から未来の方向性を模索する、これまでにない部落問題の決定版。
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Posted by ブクログ
これまで茫洋とした輪郭でしか認識したことのなかった部落問題の今を非常にクリアに見ることができた。全国の被差別地域が第4章で紹介された大阪・北芝のような活発でポジティブな「おもしろ共同体」と同様の位置に辿り着けているわけではもちろんないだろう。益のない、もはや全く意味をなさない差別など1日も早く解消さ...続きを読むれてこの小さな島国のどこででも一人一人が自分らしく生きられる、そんな日が来ることを願ってやまない。
被差別部落をなくすのではなく、残したまま部落差別を伝えていくことこそ、差別をなくす方法。 部落を隠したところで解決にはならない。
「差別をなくすための部落解放運動や同和対策事業が結果的には部落民を残すことになった」というパラドックス。
同和対策審議会が発足した年に生まれ、同和対策事業特別措置法が施行されたのは小学校3年生のとき。しかし、当時は学校で同和教育をなされず、同じ校区に被差別部落の友達がいたのに、その歴史、問題をろくに知らないでいた。部落の友達に対する教師を含めた大人たちの接し方に漠然と違和感を抱き、振り返れば明確な差別が...続きを読むあった。隣席の女の子に、君の家も学校から距離はあるけど僕の家より随分近いよと彼女の町名を口にしたら、泣いて帰ってしまったのには面食らった。橋下徹氏に関する記事問題の取り上げ方は執拗過ぎるが、部落問題に対してどう向き合っていくのかを示唆してくれる。被差別者の人たち自身も、これまでの施策から脱皮せんと歩みだしている。
ずっと考えていたけど、差別について隠す方がいいのか、おおっぴらにするのがいいのか、やっぱり難しい問題だと思った。 部落問題は目に見える部分では、解消されつつあるが、根深い差別があるのも事実。どうしていけばよいのか。
人為的であって、制度の亡霊によってのみ、日本の社会にインプリントされてしまったという点で、人種や国籍の差別とは、種類が異なる。ただ忘れ去るのを待っても数世代に満たない期間では亡霊が消えないことに苛立った被差別の側が、コミュニズムとの相関性を取り入れてしまったことにも問題はありそうだ。
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ふしぎな部落問題
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