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青春、それはどんなに奔放自由であっても一抹の憂愁が通底している。自己の存在感や充実感を求めて夢を追い夢に縋り、そして、そのぬかるむ夢に躓き足を掬われ、傷ついてよろける。それでも並大抵でない再起を目指して再びチャレンジする。
プロのジャズピアニストを志しながら、突発性難聴を患って夢を絶たれた茉莉。
幼くして父親を亡くし、母親に早く楽をさせたいと、高校を出て直ぐに印章彫刻師の職に就いた謙一。
ラグビーのスクラムに潰されて首の骨を折り、二十二歳で早逝した達哉。
子供の頃から野球に夢中になり、女子プロ野球リーグ誕生と同時にプロの投手となった由香。
自分を裏切った男を刺して刑務所に入った孤児のホステス遼子。
達哉の葬儀の後で言った謙一の言葉が象徴的である。
「人間、生きている時間じゃ無くて、何を思い、何をしたかが問題なのだ。如何に納得した充実感を持ち乍ら生きるかが重要なのだ。自分の信じるものに向かって闘い続けることが生きるということだ!」
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