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愛する妻の過ちから左腕を失って浪人し、はからずも非業の運命を生きることになる当代一の使い手・丹下典膳。高田馬場の決闘で一躍名をあげ、素浪人の身の上から浅野の家臣となる闊達な正義漢・中山安兵衛。かの〈忠臣蔵〉事件にまきこまれた二人は、互いに友情を抱きながら、やがて敵味方に別れてゆく――泰平の元禄の世を揺るがした赤穂義挙の裏話として無類の面白さを放つ時代長編。
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Posted by ブクログ
最後まで武士の誇りを持ち生きた 、丹下典膳。 妻・千春との結ばれることのできなかった恋… 本当に切なかったです。でも、その姿はとても素敵だと思います。
丹下典膳と堀部安兵衛の心的な交流を虚構して描く。 題材は陳腐かもしれない。だがさすがに時代小説の手練れだけあって、長編でも飽きさせない。不思議なリズムが支配している。
今まで忠臣蔵ものは5~6冊読んだけど、これがおもしろかった! 講談、その他のも少しずつ制覇していかないと、、、果たしてこの分野だけでも全制覇はきびしいなぁ。。。 出来れば、映像化される前に見るべきだった!最近、しょうもない脚色が多すぎる!!
本作に「忠臣蔵を描いて比類なし」といううたい文句が付いているのをみたことがありますが、本筋は、丹下典膳の物語であり、忠臣蔵(一連の赤穂騒動)はサイドストーリーになります。 それでも、昭和40年代に書かれたものとは思えないくらい現代的な、騒動に対する考察の冴えは素晴らしいと思います。 メインの丹下典...続きを読む膳の物語は、谷中七面社を舞台にして、桜の邂逅から雪の決闘に収束していく流れが本当にきれいで凄みを感じます。
久しぶりに、凄みの利いた小説が読めて大変満足しています。元禄赤穂事件を軸に、相対する2人の、己の道に生きた武士の物語。序盤から中盤にかけては思いのほか展開がゆるやかで、ようやく弾みがついたかと思えば、そこから延々と『忠臣蔵』ではない赤穂事件のあらましと筆者の私見が1冊の本として成立するくらいに続くの...続きを読むですが、間延びして中だるみする事なく、これらの要素が見事に現実と虚構を融和させ、物語に深みを持たせています。ひっそり静まり返った夜に、お酒を片手にじっくり愉しむのが似合うハードボイルドな時代小説でした。
真夏に本格的な時代小説が読みたくなって読み始める。ストーリーもそうだが、江戸の文化、風俗の記述が豊富で興味深かった。 良い意味で古風な時代小説でした。今風じゃないので、人によっては退屈かも。
討入りが主題ではなく、創作人物・丹下典膳の武士道を描く。虚構のアンチ忠臣蔵をもって、元禄 赤穂事件の真相に迫っているのが傑作だ。
NHKドラマ薄桜記の原作。 元禄赤穂事件の吉良方の付け人丹下典膳の物語。 ドラマとは描かれ方が違う。 ジェームズ三木の書き方のほうが好きだな。 義を通す典膳がとにかくかっこいい。 史実には実在しないらしいけど あとがき見ると著者は史料が少ないけどいるって書いてる。 どっち。
武芸の天才丹下典膳と堀部安兵衛が、言葉でなくこころで結ばれている様子が爽やかに思えた。物語も良かったが、赤穂事件の真相や浅野内匠頭が暗君であったという事を、様々な史料に基づいて書き上げている辺りに、作者の気迫を感じた。
忠臣蔵外伝。吉良上野介の付け人であった不遇の剣客、隻腕の丹下典膳の物語。堀部安兵衛との友情、市井の白竿屋長兵衛らとの交流が泣かせる。非常に大好きな作品。
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