村上春樹は、むずかしい

村上春樹は、むずかしい

880円 (税込)

4pt

はたして村上文学は、大衆的な人気に支えられる文学にとどまるものなのか。文学的達成があるとすれば、その真価とはなにか――。「わかりにくい」村上春樹、「むずかしい」村上春樹、誰にも理解されていない村上春樹の文学像について、全作品を詳細に読み解いてきた著者ならではの視座から、その核心を提示する。

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村上春樹は、むずかしい のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    まずはご冥福をお祈りいたします。亡くなられたからという訳じゃないけど、このタイミングで読んでみることに。先だって読んだ内田樹作・春樹評の中でも触れられていたしね。おおむね好意を寄せながら、褒めの一辺倒じゃないってところは好感。未読作品も、早く読んでしまいたくなりました。ただ、春樹特別って訳じゃなく、

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    2019年06月14日

    Posted by ブクログ

    『村上春樹は、むずかしい』というタイトルであるが、ここまで読み込むのであれば、むずかしいというのも頷ける。

    例えば、初期短編『中国行きのスローボート』については、初編からの細かな改変部分に目配せされていてその意図についての解釈が解説される。これまで、村上春樹の父と中国に対する一種の集合的な罪の意識

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    2017年08月20日

    Posted by ブクログ

    [村上さん、引きずり出してみました]人によって好き嫌いが大きく分かれ、文芸界での評判も分裂する傾向にある村上春樹とその著作。デビュー作となった『風の歌を聴け』から直近の『女のいない男たち』までを時系列的に眺めながら、村上春樹の文学史的評価に新たな光を当てようと試みた作品です。著者は、文芸評論家として

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    2016年10月05日

    Posted by ブクログ

    ノーベル賞候補にも名があげられ、日本を代表するといっても過言ではない村上春樹さんについて、あまりに強いそういったフィルターを取り除いた本当の凄さというものについて書かれています。大衆的な人気を得ているからといって、そんなに軽い作家ではないと。村上春樹さんとして、文学に対する壮絶な戦いを闘われていると

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    2016年05月14日

    Posted by ブクログ

    村上春樹の文学が、時代と自分にとっていかに切実だったか、痛感した。一貫性のある、また、真っ当な評論である。一気に読んだ。

    ・どのような近代的な文学も、必ず、社会がゆたかになっていくある時点で、否定性が従来のかたちのままでは文学を生き生きと生かし続けられない転換点が来る。
    ・現実のもつ現実性が時の経

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    2016年04月23日

    Posted by ブクログ

    これまで読んだ3冊の村上春樹本の中で1番しっくりきた。しっくりポイントは、否定性の反動として、サザンと村上龍が「肯定性の肯定」であり、村上春樹が「否定性の否定」だ、という評。それと、アンダーグラウンドで普通のサラリーマンと話したことでそれ以後の作品に普通の人々が出てくる、複層的になっていくという話。

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    2022年02月07日

    Posted by ブクログ

    ミステリを読んでいるかのように、ひきこまれた。読み進むにつれて、謎が解かれていく気分の良さ。解かれていく謎っていったら、そりゃ村上春樹という作家さんの謎でしょう。タイトルの通り、村上春樹は難しい。これはこういう話だったんだ、というスッキリ感があまりない。それでもなんか読んでしまうし、好きな作品は何度

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    2019年11月01日

    Posted by ブクログ

    長いこと、自分にとって他とは違う特別な存在だった村上春樹について、ようやくきちんと言語化してくれるものを読んだ気がしました。「否定性の否定が、作品の中で『悲哀を浮かべている』こと(P.28)。
    この本を正確に理解できているかどうか分かりませんが、確かに1980年代には、否定的であることが正しく鋭く純

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    2016年06月29日

    Posted by ブクログ

    【読書その62】久しぶりの読書記録。ボチボチ読書はしているものの最近気分が乗らず停滞中。今年に入って62冊目。そんな中で読んだのは加藤典洋氏の村上春樹論。恥ずかしながら、自分自身、村上春樹氏の著書は「ノルウェイの森」や「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」などのメジャーな本しか読んでないが、「

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    2016年06月03日

    Posted by ブクログ

     ずっと読んできたのに、『1Q84」が読み切れない。なぜか知りたくて、本書に助けを求めました。青豆の造形につまずいていたのでした。初期の作品から、デタッチメント(距離をおくこと)なる主人公の行動にどれだけ影響を受けたでしょう。そして、村上春樹は深化(進化)しつづけているのが、納得できました。そのこと

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    2016年05月17日

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