いのちを“つくって”もいいですか? 生命科学のジレンマを考える哲学講義

いのちを“つくって”もいいですか? 生命科学のジレンマを考える哲学講義

1,210円 (税込)

6pt

3.8

誰もが願う「より健康に、より長く生きたい」という希望。iPS細胞による再生医療をはじめ、出生前診断、遺伝子治療やロボット技術――最新のバイオテクノロジーに根差す現代医療は、その願いを着実に実現しつつあり、「病気や老化を克服する」可能性さえも見えてきた。
ところが、従来不可能であったことが「できてしまう」ようになることで、私たちはこれまで想像もしなかった課題に直面しつつある。それはたとえば、「技術的に可能なら、人工的に人のいのちをつくり出してもよいのか?」「身体の特徴や能力、知性などを親が好きに選んで、子どもをデザインしてもよいのか?」など、今日の倫理観では対処できないようなジレンマだ。そしてそれらは、テクノロジーが発展するほどにますます複雑になっていく。人がただ望むままに進んでいくならば、私たちはやがて「いのちをつくり変える」領域に踏み込んでしまうのではないか。
本書では、バイオテクノロジーがもたらすこのような治療を超えた医療=エンハンスメントの課題と、生命科学と深く結びついた現代、そして未来の社会を生きるための新しい“いのちの倫理”を、読者とともに「哲学的」に考えていく。

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いのちを“つくって”もいいですか? 生命科学のジレンマを考える哲学講義 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

    著者は、1997年にクローン羊のドリーが誕生したことを受けて、当時の橋本首相が設けた生命倫理委員会に参加し、それ以降生命倫理の問題について第一線で取り組んできた、現・上智大学神学部教授である。本書は、NHKテレビテキスト『きょうの健康』に2013~2015年に連載された「いのちとモノ」をもとに加筆・

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    2016年05月29日

    Posted by ブクログ

    宗教学、死生学を研究分野とする島薗進 氏の著。

    バイオテクノロジーによって人間の遺伝子や生殖に介入する行為、ES細胞などの「胚」を用いた科学的技術の発達について、「はじまりの段階のいのちを壊す」というキリスト教的な側面と東洋(日本)の「つながりのなかの命」を対比させて論じた本。

    (イラスト、題名

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    2021年06月22日

    Posted by ブクログ

    医療技術の発展に伴い課題として浮き彫りになってきた「治療を越えた医療=エンハンスメント」をベースに、いのちの捉え方を私たちに問う本作。

    医療技術が飛躍的に進化している昨今。治療できなかった病気が治療でき、救えなかった命が救えるケースが増えてきました。ニュースでそれらを目にする度に単純に人間にとって

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    2019年02月07日

    Posted by ブクログ

    死生観を知りたくて選んだ本の中の一つ。
    あと、オルダス・ハクスリーの「すばらしい新世界」が取り上げられていたので読んでみた。

    前半はいまの再生医療の技術について、科学を通して知る。ES細胞とかiPS細胞とか、ニュースで聞くくらいしかなかったけど、なるほどそういう仕組みだったのか、だからノーベル賞な

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    2017年09月13日

    Posted by ブクログ

    バイオテクノロジーがもたらす治療を超えた医療=エンハンスメントの課題の哲学的思考。
    哲学的故か堂々巡り感有り。

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    2016年05月06日

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