氷の家

氷の家

フレッド・フィリプスが走っている……その言葉は八月の静かな午後、さながら牧師のお茶会で誰かが発したおならのように鳴りひびいた。庭師を周章狼狽させたのは、邸の氷室に鎮座していた無惨な死骸――性別は男。だが、胴体を何ものかに食い荒らされたその死骸は、人々の嘔吐を誘うばかりで、いっこうに素姓を明示しようとしない。はたして彼は何者なのか? 迷走する推理と精妙な人物造形が読む者を八幡の藪知らずに彷徨わせ、伝統的な探偵小説に織りこまれた洞察の数々が清冽な感動を呼ぶ。新しい古典と言うにふさわしい、まさに斬新な物語。英国推理作家協会最優秀新人賞受賞作!/解説=巽昌章

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氷の家 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2021年01月06日

    かつて当主が失踪したといわれる屋敷で胴体を食い荒らさらた死体が見つかる。誰の死体なのか?見事なストーリー展開と巧みな人物描写。このデビュー作で一躍女王となったミネットウォルターズだけにページをめくる手を止めさせない。ここまで面白いともうトリックなどどうでも良い。ミステリも小説であるからには、一流であ...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年01月16日

    ネットで見かけて。

    「フレッド・フィリプスが走ってる」
    すごい始まりだ。
    思わせぶりなところはなにも無く、ただ事実を述べているだけなのに、
    それがわざわざ語られなければならないところに、インパクトがある。
    あっという間に作品に引き込まれる。

    行方不明者と身元不明死体。
    田舎の村とスキャンダル。
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    Posted by ブクログ 2011年12月22日

    面白いー!!

    身元のわからない朽ちて食われた死体が一つ。
    見つかったのは10年前の夫殺しの噂のある屋敷。
    人殺しのレッテルのした、毅然と見えるフィービと
    心優しいダイアナ、頭脳明晰の皮肉屋アン。
    同性愛者だ、魔女だ、人殺しだと警察からさえ信用されない
    不遇の女たち、
    そして妻に逃げられたアル中寸前...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2010年10月31日

    1992年に書かれ、舞台もその頃の小説なのだが、
    なんだか、戦前の香りの漂う小説だ。

    もっとも、時代に閉じ込められたような、
    田舎の村の古めかしいお屋敷が舞台だけに
    そういう書き方は正解で、しかもそれが見事に書かれていてすばらしい。

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    Posted by ブクログ 2010年02月12日

    以前読んだときはもっと怖いと思っていたんだけど、私がそうとう図太い人間に変わっちゃったんだろうな…。
    最後まで二転三転する犯人の正体にはさすがストーリーテラーとしか言いようがない。でも、これより「黒い薔薇」の方が万華鏡みたいにくるくると視点が変わって読後の騙された感が強かったような気がする。
    「黒い...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年09月14日

    なんでしょうか?
    単なる謎解きと思えば、意外性もあってそれなりに面白い。

    ただ、事件の背景や原因となる事があまりにおぞましい。イギリスの田舎町ってこんな感じなのかと絶句する。日本の村八分とあまり変わらないというか、もっと陰湿かも。

    あまりカタルシスのないお話でした。

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    Posted by ブクログ 2013年03月12日

     多くの小説では、物語の中心となる人物やその性格というのがだいたい定まっていて、読者はその人物の視線、気持ちに寄り添いながら物語を理解していくというのが一般的な流れなのではないかと思いますが、本書は、そう言った意味ではちょっと普通ではない変わった構成をとっています。
     例えば、次々に別の登場人物へと...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2012年01月06日

    この作者さんの本は二冊目。なんかなぁ、終息の仕方が好きではないかも。どんどん登場人物が増えるのが好みじゃないのか??

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    Posted by ブクログ 2011年10月02日

    登場人物がみんな混乱している。

    読んでて疲れた。

    主人公?の部長刑事に全然感情移入できなかった。

    終わりもイマイチ。

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    Posted by ブクログ 2011年09月24日

    キャラクターの造型や、結末の意外性と伏線の張り方はなかなか。ちょいと読みにくく、展開が遅いのが難。でもまた幼児虐待か...。

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