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一九八五年、阪神タイガースは本当に優勝したのだろうか――イチローも松井もいなかったあの時代、言葉と意味の彼方に新しいリリシズムの世界を切りひらいた第一回三島由紀夫賞受賞作が新装版で今甦る。
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Posted by ブクログ
某球団の選手たちを神々に見立てて、日本野球という神話を創生しているようです。大変アクロバティックで、刺激に満ちた作品だと思います。
2009年3月28日~29日。 この人の作品には常に寂しさが付きまとっていると思う。 すべてを読んだ訳ではないが、殆どの作品にそんなテイストがあったように思う。 この作品にもその寂しさはあった。 悲しみ、といってもいいのかも知れない。
高橋源一郎が、野球について書くことで日本人の心のありようを描こうとした作品。 野球が消えてしまった世界で、野球に関して書かれた文章を探す者、野球選手になるため野球について知ろうとする少年、元野球の監督、そして1985年に優勝したとされている阪神タイガースの元選手たち……。 以前、友人の一人が檀一...続きを読む雄について書かれたエッセイや評論を読んでいて、でも檀一雄の作品はひとつも読んだことがなくて、それで檀一雄についてやたらと詳しく語っていた。 友人曰く「俺は堀を見て城を想像するのが好きなんだ」。 この作品で高橋源一郎がやろうとしたのも同じようなことなんじゃないだろうか。 高橋源一郎「いや、むしろ僕がやろうとしたのは屋敷を見てトレーシーを知るって感じですね」 と答えてくれたら面白いかなと思ったが、自分でも書いていて意味不明なのでこれはこれで終了。 僕は少し前から高橋源一郎信者で、要するに彼の書く文章に参ってしまってこれはもう全部読まなくちゃと、とりあえず今のところ変わらぬ決心をしたので買いやすいものから順に彼の著作を買っている。 その文体だが、やっぱり何度読んでも心地良い。 単純に僕の好みなのだ。合ってるのだ。 距離感というか、文章と文章の間にあるスリット部分の幅と深さがちょうどいい感じでもういくらでも読んでいられる気分だ。 野球よりサッカーが好きで、高木豊にも屋敷にもトレーシーにも若菜にも阪神タイガーズにも興味がない僕がこれだけ楽しく読めるのはひとえに高橋源一郎のおかげです。 どうもありがとう。
もうなんか批評家めいたことはかきたくないしかくのめんどくさいんだけど、そしたら全部「おもしろかった」で終わっちゃうからなんかなー。とりあえず全体的によかった。日本野球創世綺譚の章はとくによかった。
第1回三島由紀夫賞受賞作。 日本野球を通して日本文学を思想し、語る。 やっぱこの人天才。
高橋源一郎はステキです。 チャンイーモウみたいな雰囲気を読む本。 野球狂でなくても楽しめる。かも。
初高橋源一郎。おお、これがポストモダン文学ってヤツか。面白いけど、どうすりゃいいんだこれ?・・・ま、なんかたぶんこういう小説書く人なんだろうな、と予想はついてたんだけど、ここまでむちゃくちゃやっていいんだ。それが俺の中で衝撃的だった。ブローティガン読んでこういうのやっていいんだと知ったんだけど(ブロ...続きを読むーティガン以上に比較されるバーセルミは読んだこと無い)、あれとはまた一段階むちゃくちゃだ。面白いけど、これやってどうするんだろう?ポストモダンはやっぱり元気出ない方向性のような気がする。あと思ったけど、舞城王太郎とかって、こっちから攻めてるって理解すればいいのかな?
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優雅で感傷的な日本野球
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