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平将門の娘・瀧夜叉姫の祟りで伯父が殺されます――まったく働く気のない心霊探偵・物部太郎のもとへ依頼人が来た。実際殺人事件が発生し、なんの因果か、難事件に巻き込まれてしまう。立ち塞がるいくつもの謎。名コンビ・片岡直次郎を助手に、太郎はその真相を推理する。(七十五羽の烏) 「なめくじ長屋捕物さわぎ」新作2編など本格短篇とエッセイも収録した、傑作セレクション。
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Posted by ブクログ
表題の「七十五羽の鳥」は、謎を解くすべてのカギは読者に提供されるという「本格推理」の形を取っている。 物語は物部太郎というものぐさ太郎の祖先だという男が、父親に「一年だけ働け」との命令を受け、「客のこなさそうな」サイキック・ディティクティブの事務所を構えるところから始まる。物部太郎はこの事務所で、十...続きを読む分にぐうたらして過ごしていたが、そこに瀧夜叉姫の呪いに関する事件が持ち込まれ、ものぐさな太郎は事件に巻き込まれていく。 事件の最中でも、そこから逃げ出すことを第一に考えているという奇妙な「探偵」役を主人公にした本格ものとなっている。 また、この「七十五羽の鳥」には、不思議な事件が大好きだという日本語が片言の外国人キリオン・スレイを探偵役とした短編、退役した刑事が現職にある息子を通じて知った事件を解決する安楽椅子探偵形式の「退職刑事」、そしておなじみ「なめくじ長屋捕物さわぎ」シリーズの2編が収録されている非常にお得な一冊だ。 いずれも都筑さんのミステリらしく、どんなに謎に満ちた事件でも、論理的に説明ができるという素晴らしい作りになっている。最後には、都筑さんがこの「七十五羽の鳥」を執筆するにあたって気をつけたことなどを記したエッセイもあり、非常に考え抜かれたストーリーであるということを再確認することができる。
わたしのミステリの原点都筑道夫の著書の中で、 わたしがはじめて呼んで圧倒された記念の一冊。 わたしの持っているのはこの本じゃないけれど、 未収録の「七十五羽の烏」が出来るまで」 が載っているらしいので、欲しくなってきました!
再読。まあ覚えてたと思ってた犯人を勘違いしていて充分に楽しめたのだけれど。謎がそんなにインパクトの強いものではないというのは確かに感じるが、それは読者を謎のインパクトで驚かすのではなく本格としての興味、つまりロジックの面白さを読者に提示し、そこのインパクトを見せようとしたからではないかと思う。2ch...続きを読むに「これは犯人を自分で考えようとする人が最も感心する」と書かれていたけど、それは本当にそうだと思う。でもそんなこと関係なく本格が好きな人間ならばこの作品には脱帽するんじゃないか。
表題作の三番目の事件の真相に、もったいないことをするものだと登場人物ならずも思った。シリーズの他作品はしばらく読めそうにもないのが残念だが、他シリーズに手を伸ばしてみようとは思う。ことに解説で持ち上げられていた「黄色い部屋はいかに改装されたか?」が気になる。
まあまあ、かな。 読んだ本の画像がなかったので、こちらで代用。 「七十五羽の烏」以外にも収録されているようなので、そのうち読んだみたい。
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七十五羽の烏~都筑道夫コレクション〈本格推理篇〉~
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