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八千人もの赤ちゃんを取り上げた前田たまゑの産婆人生は、神戸の福原遊廓から始まった。彼女の語り部から聞こえる、昭和を背負った女性達の声。著書『さいごの色街飛田』の原点。
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Posted by ブクログ
尼崎で助産院をやっていて、著者もそこで子どもを産んだという助産師・前田たまゑさんの一代記。戦時中や戦後のベビーブーム、出産の場の主流が病院に移ったり、開業して理想のお産を求め実践したりという具合に、めまぐるしく流れていく時代のなかをいきいきと飄々と生き抜いた人物の記録として面白かった。 出産周辺のは...続きを読むやりすたりの激しさがまた面白い。前田さんが助産に携わっていた50年ほどの間に、出産の場所は自宅から病院へと移ったし、そのなかでもウーマンリブの風潮と相まって助産院での自由な出産が見直されたり、また、かつて自宅出産の時代は男性が普通に産み部屋にいたというのもびっくり(テレビや映画のそういうシーンでは「男の人はあっちの部屋で待ってて」みたいなことが多かったから)。助産の立場でありながら受胎調節や家族計画を勧めることへの違和感や、陣痛促進剤を簡単に使ってしまったり会陰切開を当たりまえのようにやる産科医療への疑問・不信、またそうしたことを当然ととらえてしまう助産師仲間への憤りなど、あけすけに話してくれている内容は、一助産師の経験や考えに過ぎないけれど、通説となっている表の助産の歴史より濃くて豊かで貴重な記録といえる。 しかし、初版時は改題されたこのタイトルときたらひどいもんだ。まあ、このタイトルゆえに手に取ったんだけど、前田さんが遊廓近くの産院にいたのなんて、見習いの頃の2、3年のことじゃないか。それを前面に出すのってちょっと不誠実。ちょっと苦しいけど、「遊廓の産院から(キャリアがスタートした)」という意味合いか?
遊郭の産院というタイトルから、遊郭近くの助産院で働いていた方についての本かと思ったのですが、そうではなく。 遊郭近くの婦人科から、助産師を目指した方の話でした。 戦中、戦後の日本史と、出産の歴史を感じられる本です。 昔の人は、本当に良く働いていたこともわかります。 辛くても耐える、とか言葉にすると...続きを読む当たり前なのかも知れませんが、その辛さが重い。 医学が、人間という生き物の全てをわかっているわけではないな、と感じることが多いので 西洋医学以前の、歴史に出産のノウハウがあって当たり前だし 生き物としての出産 日常生活としての出産 と感じられる本でした。 タイトルは「さいごの色街飛田」が好評だった、井上理津子さんの文庫化なので、そこからの購買を引っ張ったんでしょう。 とても面白く、引き込まれてページを追いました。
ある産婆さんの一代記
タイトルから、遊廓専門の産院なのかな、と思い購入(鬼滅の遊廓編がやるから興味があった)。昭和のある産婆さんの幼少期からの記録。陣痛促進剤で凄まじいお産をした身としても、昔のお産、よそ様のお産、とても興味深かった。
#深い #タメになる
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