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人間の裡に潜む不気味なものを抉り出し、独特の乾いた筆致で書き続けたシャーリイ・ジャクスンは、強烈な悪意がもたらす恐怖から奇妙なユーモアまで幅広い味わいの短編を手がけたことでも知られている。死後に発見された未出版作品と単行本未収録作を集成した作品集Just an Ordinary Dayより、現実と妄想のはざまで何ものかに追われ続ける女の不安と焦燥を描く「逢瀬」、魔術を扱った中世風暗黒ゴシック譚「城の主」、両親を失なった少女の奇妙な振るまいに困惑する主婦が語る「『はい』と一言」など、悪意と妄念、恐怖と哄笑が彩る23編にエッセイ5編を付す。本邦初訳作多数。/収録作=「序文 思い出せること」「スミス夫人の蜜月(バージョン1)」「スミス夫人の蜜月(バージョン2)――新妻殺害のミステリー」「よき妻」「ネズミ」「逢瀬」「お決まりの話題」「なんでもない日にピーナツを持って」「悪の可能性」「行方不明の少女」「偉大な声も静まりぬ」「夏の日の午後」「おつらいときには」「アンダースン夫人」「城の主」「店からのサービス」「貧しいおばあさん」「メルヴィル夫人の買い物」「レディとの旅」「『はい』と一言」「家」「喫煙室」「インディアンはテントで暮らす」「うちのおばあちゃんと猫たち」「男の子たちのパーティ」「不良少年」「車のせいかも」「S・B・フェアチャイルドの思い出」「カブスカウトのデンで一人きり」「エピローグ 名声」
...続きを読むPosted by ブクログ 2020年11月29日
切れがある人物描写が素晴らしい。
人間の嫌な内面を描く作品もあれば、『レディとの旅』のようなほろ苦くずっと心に残りそうな作品もあった。
いわゆるどんでん返しなどもあったりして、作者の懐の深さかうかがえる。
『なんでもない日にピーナッツを持って』や『城の主』『メルヴィル夫人の買い物』のように最後まで展...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年05月16日
シャーリイ・ジャクスンの描いた日常は白黒のテレビが初めて家にやって来た頃に観た「じゃじゃ馬百万長者」のエピソードのようで、何だか作り物のような手触りがして嘘臭い。でもそこから当時の当たり前や海の向こうの常識なんかを取り去ると、残るものは案外今でもそこら中で起こっている話なんだろうなとは想像する。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年02月08日
「処刑人」に引き続き、シャーリィ・ジャクスンの短編集+エッセイ。
お気に入りなのは「なんでもない日にピーナツを持って」と「悪の可能性」一見善良な人間が実は…という黒さがたまらん。「メルヴィル夫人の買い物」と「インディアンはテントで暮らす」は悪意の中にもユーモアがあり、笑ってしまった。エッセイではやん...続きを読む
Posted by ブクログ 2017年01月29日
短編集と後ろにエッセイが5つ収められている。
エッセイは興味がなかったから読んでない。エッセイはいらないので他の短編をもっと入れて欲しかった。
たまにこういう短編集って読みたくなる。皮肉とユーモア。タイトルからして皮肉でしょう。
『メルヴィル夫人の買い物』はどっちもバランスよく入ってて、笑えるし...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年04月12日
シャーリィ・ジャクスンの死後に見つかった、未発表・未収録原稿から選りすぐった短編集。
時代が変わっても変わらぬもの…それは人の悪意。小さな意地悪、ささやかがゆえにどこに刺さったか見つけづらいけど確実に心を蝕んでくる悪意を描かせたらピカイチですなー。
そんな顔とはうらはらに、楽しい子育てエッセイもあっ...続きを読む
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