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馬鈴薯や玉葱や南瓜に美を見いだして、あくことなく野菜の絵を描く老ドイツ語教師・佐田とその妻、聡明で個性的な息子、娘とその恋人たちが、人類の意志としての幸福を愛し、幸福を極めようとする、どこまでも素朴な善意を基調として構成された小説。彼らの周辺でさかんに交される、真情こもった当意即妙のユーモラスな会話は、読者の心を明るい希望で満たして尽きることはない。
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幸福な家族
昔懐かしいほのぼのとした幸せな家族の物語りでこういう人生も良いかなと思った。
#ハッピー #ほのぼの #癒やされる
Posted by ブクログ
絵を描くのが好きなお父さん。ちょっと影が薄いけどしっかりと家族を切り盛りするお母さん。ひたすら性格がまっすぐな長男。お父さんのことが好きな長女。 そんな家族の話。 ただそれだけ。 それだけなのにとっても幸福。
口語体(?)で書かれているのが面白い。 日本人にありがちな男女の心のすれ違いだなと思った。 今読んでも普通に理解しやすいというか"あるある"というか、戦争という単語さえなければ現代の話に十分思える。
はじめは、幸福すぎてつまらない、と内心皮肉りながら少しずつ読み進めていたのに、じわじわと引き込まれていった。どっかできっと不幸になるはずなんていう期待を持っていたのに、危機をうまく乗り越えられていき、本当に幸福な家族が描かれている。こういう場合、平凡だと思ったりするのに、読後のさわやかさと余韻は何な...続きを読むんだろう。 解説で、今の若い人が読むとどう感じるのかと、あった。私がこの解説者にとっての若い人に分類されるかはさておき、この作品は世代を超えて受け入れられるのだろうと感じた。 幸せになった。
ドイツ語の先生の佐田正之助は、野菜や果物の油絵に夢中。息子の正蔵の友人の川上は、正之助の絵に美点を見出す。娘の綾子は、父の絵のモデルに不幸な境遇にある千津子を推薦し、千津子は佐田家に通うようになる。
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