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1100万人を超える人類史上最大の反戦運動もむなしく、アメリカとその同盟国は、ついにイラク攻撃に乗りだします。デモクラシーを高らかに謳いあげる国々による圧倒的な暴力は、人々の意志が政策に反映されることのない絶望的な光景を、かえって浮き彫りにしました。果たして、政治はひと握りの人間によって決定され、他の者たちは粛々とそれに従うほかないのでしょうか? 本書では、世界的に進行するデモクラシーの空洞化を多角的に分析しながら、私たちの政治参加の可能性を探ります。日豪屈指の知性による、深くて鋭い盛りだくさんの対話劇。「イラク戦争以後の民主主義入門書」を片手に、いっしょに考えてみませんか? 【目次】序章 ヤギさん郵便、あるいはデモクラシーの議論への誘い/第一章 デモクラシーの空洞化――冷戦構造崩壊後、自由は勝利し、それによって自由な選択肢はなくなった/第二章 グローバル権力の誕生小史・第二次大戦後50年――国家と企業の癒着、民営化/第三章 政党、世論、ポピュリズム――デモクラシーのブラック・ボックス/一 政党をめぐるおしゃべり/二 世論をめぐるおしゃべり/三 ポピュリズムをめぐるおしゃべり/第四章 直接民主主義と間接民主主義――デモクラシー思想の歴史と「外国人」/第五章 間奏曲「月夜の対位法」――デモクラシーは酸素なんだよね/第六章 ふたたび「暮らし」のなかへ――今、私たちに何ができるのか/一 想像力を奪うものへの抵抗/二 グローバル権力と、内なる無力感への抵抗/あとがき/人物・用語解説/みんなでつくるデモクラシー・マニフェスト
...続きを読むPosted by ブクログ 2019年09月19日
姜尚中とテッサ・モーリス=スズキが、現代の国際政治状況におけるデモクラシーの危機について語りあっている本です。姜はすでに森巣博と『ナショナリズムの克服』(集英社新書)という対談本を刊行していますが、本書ではおなじテーマを政治思想史を振り返りつつ、もうすこしオーソドックスなかたちで語りなおしたものとい...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年10月26日
[ 内容 ]
一一〇〇万人を超える人類史上最大の反戦運動もむなしく、アメリカとその同盟国は、ついにイラク攻撃に乗りだします。
デモクラシーを高らかに謳いあげる国々による圧倒的な暴力は、人々の意志が政策に反映されることのない絶望的な光景を、かえって浮き彫りにしました。
果たして、政治はひと握りの人間に...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月07日
確かに、世の中自分が何かしたところで変わらないって思っている節はある。でも、今までの歴史を振り返ってみるとどうして今の世の中があるかって誰かが体制を変えてきたから。今も体制を変える原動力を一人一人が持っているはず。現在人々が無気力化しているのはグローバリゼーションによって力が分散してまとまって大きな...続きを読む
Posted by ブクログ 2009年10月04日
デモクラシーの担い手とは、「それを望むすべての人々」というタテマエになっているが、現実では人々は自らの無力さを感じ、それゆえ「政治的無感情」となっている。その原因はさまざまである。「市場の社会的深化」により、デモクラシーにおいて有権者である人々は消費者となったこと。世論は人々の声を代表しないことや、...続きを読む
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