英仏百年戦争

英仏百年戦争

748円 (税込)

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それは、英仏間の戦争でも、百年の戦争でもなかった。イングランド王、フランス王と、頭に載せる王冠の色や形は違えども、戦う二大勢力ともに「フランス人」だった。また、この時期の戦争は、むしろそれ以前の抗争の延長線上に位置づけられる。それがなぜ、後世「英仏百年戦争と命名され、黒太子エドワードやジャンヌ・ダルクといった国民的英雄が創出されるにいたったのか。直木賞作家にして西洋歴史小説の第一人者の筆は、1337年から1453年にかけての錯綜する出来事をやさしく解きほぐし、より深いヨーロッパ理解へと読者をいざなってくれる。【目次】序、シェークスピア症候群/前史 一、それはノルマン朝の成立か/二、それはプランタジネット朝の成立か/三、第一次百年戦争/本史 一、エドワード三世/二、プランタジネットの逆襲/三、王家存亡の危機/四、シャルル五世/五、幕間の悲喜劇/六、英仏二重王国の夢/七、救世主/八、最終決戦/後史 一、フランス王の天下統一/二、薔薇戦争/結、かくて英仏百年戦争になる

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英仏百年戦争 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    情報のポイントが絞られていて、概略として掴みやすかった。

    また、「英仏百年戦争」という現代的認識の誤解をかなり指摘していて、歴史を学ぶ醍醐味を味わえた。
    巻末に、「国民国家という軛」からの解放が近いのでは、という著者の考えにもとても共感した。というのも、ギリシャ史をまとめた本を読んだ時、「ギリシャ

    0
    2024年07月27日

    Posted by ブクログ

    英仏百年戦争
    それはイギリスとフランスの戦争でも、百年の戦争でもなかった。
    戦う二大勢力はともに自身を「フランス人」であると認識。
    領地の感覚が優先し、国の感覚が希薄だった時代に、イギリスという国とフランスという国の戦争など、設定できない。

    しかし、英仏百年戦争は、イングランド王、フランス王にそれ

    0
    2022年04月29日

    Posted by ブクログ

    大学の一般向け講座を受講した際に勧められた著作。

    非常に読みやすく、わかりやすい。

    概説書としての側面もありながら、専門性もある。

    『百年戦争』の考え方、国民国家を基軸とする歴史の考え方をもう一度捉え直す著作である。

    0
    2021年03月20日

    Posted by ブクログ

    フランスを舞台にした歴史小説を得意とする佐藤賢一氏による百年戦争の概説書である。

    百年戦争は、現代の主権国家体制に馴染んだ我々からすると、つい安直にフランスとイングランドが戦った戦争である、と思い込みがちである。
    そう思い込むと、大変分かりづらくなるのが百年戦争である。

    本書は、百年戦争以前には

    0
    2020年11月17日

    Posted by ブクログ

    いわゆる英仏百年戦争を前史・後史含めた全体を叙述した一冊。戦争を通して変容する国家観についての考察や、ジャンヌ・ダルクについての詳述など興味深い点が多い。前に読んだヴァロワ朝と記述がかぶる点も多いけれど面白かった。

    0
    2019年12月20日

    Posted by ブクログ

    ドーバー海峡を挟んで隣国であるフランスとイギリスが、最近まで剣呑の仲であることは承知していましたが、歴史をたどっていけばその謎も解けるというものです。

    この戦争を機に現在のイギリスとフランスの地盤が出来たといっても過言ではないでしょう。
    フランス王家から分かれたイングランド。
    フランス王家といえど

    0
    2019年03月29日

    Posted by ブクログ

    歴史は後から俯瞰してみると、最初から間違った意識のまま見誤ってしまうことが多い。今回もそうでした。

    歴史じゃないんだ。
    生きた人間が一人ひとり動いて、そこに出来た何かが残っていくんだという事が良く分かった一冊に。

    英仏百年戦争。
    フランス人のイングランド領主と、フランス人のフランス領主との戦いで

    0
    2018年10月07日

    Posted by ブクログ

    「王妃の離婚」や「物語フランス革命」などヨーロッパを題材とした小説で有名な佐藤賢一。エンターテイメント小説を手掛けているためか、大変読みやすく100年戦争が描かれている。
    100年戦争が終結する以前のヨーロッパは、地方領主がひしめく中、ローマ教皇や神聖ローマ皇帝が歴史を動かす軸として存在感や影響力を

    0
    2014年04月18日

    Posted by ブクログ

    古本で購入。
    これは久々の目からウロコ本。

    高校世界史レベルの知識だと、「百年戦争」の図式は
     イギリスVSフランス
    てなところだが、実際は
     フランス人のイングランド王VSフランス人のフランス王
    という、フランス人同士の王座を巡る闘争だった。まず、ここで「おぉ」と思わされる。

    いや

    0
    2013年07月18日

    Posted by ブクログ

    ヨーロッパ中世史を面白く読めるよう工夫された文章であるが、やはりこの時代のヨーロッパ史は複雑で、難解ではある。
    著者はこの時代を、英仏が国民国家として成立していく過程として重要なものであったと評価している。

    0
    2024年08月25日

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