世界遺産ビジネス(小学館新書)

世界遺産ビジネス(小学館新書)

814円 (税込)

4pt

4.0

世界遺産登録の舞台裏。

本書は、ユネスコ日本政府代表部全権大使を務めるなど長く世界遺産にかかわってきた著者が、世界遺産登録に至るまでのさまざまなハードルや駆け引き、そこから生じる問題点を明らかにする。鎌倉は優れた遺産を持ちながらなぜ不登録になったのか。法隆寺登録の際に、石造りの文化財を価値基準とする西洋的文化観に固まったイコモスの専門家たちと繰り広げた大論争、一時は危なかった和食の無形文化遺産登録を成功させた作戦とは……など、世界遺産外交の最前線に立ってきた著者ならではの興味深いエピソードがつづられる。
登録されると多くの観光客が訪れ、その莫大な経済効果から世界遺産は今や世界規模の巨大なビジネスになっている。そのため、人類共通の貴重な自然や文化遺産を守るという本来の理念とは別な次元の問題が生じている。限られた枠の中での登録の駆け引き、そのためのユネスコ内部でのロビー活動、諮問機関のイコモスの評価を無視した形の逆転登録などが日常化しているのだ。さらに、アラブ諸国とイスラエルの対立や、『明治日本の産業革命遺産』登録に際して大きな問題となった韓国の反対行動にも言及し、世界遺産に介入する政治問題に警鐘を鳴らす。

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世界遺産ビジネス(小学館新書) のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2021年10月13日

    世界遺産の勉強中なので、内容が古いながらも理解にかなり役立った。続編で開発と保護の関係、その後採用された「アップストリーム・プロセス」や検討中の「プレリミナリー・アセスメント」についても書いて欲しい。

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    Posted by ブクログ 2016年03月26日

    筆者は文化庁文化財部長やユネスコの日本政府代表部特命全権大使を務めた人物で、日本の今までの世界遺産登録に携わってきた人。いわば今までの日本の第一人者ともいえる人物が、世界遺産登録までの、国内のみならずユネスコでの実情について、とてもわかりやすく、良い点悪い点両方とも包み隠さず提示したうえで、これから...続きを読む

    0

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