ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ

ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ

495円 (税込)

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ジャズとロックのリズムをバックに、幻想と笑いと反逆が爆発する

あいつ、J・Lが死んだのは十二月八日、ニューヨーク時間の真夜中、おれが知ったのは、何となく寝ぼけまなこでボヤーッと見ていた昼間のテレビの短かいニュースだ。へえー、とおれは思っただけだ。あのJ・Lさんがねえ、お気の毒に、と言ったところ。だから、あいつという感じでもない。いや、とてもあいつなんて、言わせていただくわけにはゆかない、お偉いお方が亡くなったのだ、そういう感じだったというわけ。(「ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ」より)
ジョン・レノンの死と少年たちの生活を描いた表題作、『街の博物誌』を彷彿とさせる「ブルースマン」など、音楽との関わりが深い13作品が収められた短篇集。

・ブルースマン
・あいつの夢
・リヴァーサイドの不思議な空
・アンダーグラウンド
・おジイさんの輝ける日々
・笑い男
・花
・徳さんのヌートピア
・夜の会話――腹を割る
・犬神屋の一族
・モンスター
・少年たちの夜
・ルーシーは爆薬持って空に浮かぶ

●河野典生(こうの・てんせい)
1935年1月高知県生まれ。詩作、劇作のかたわら1960年『陽光の下、若者は死ぬ』でデビュー。1964年『殺意という名の家畜』で推理作家協会賞を受賞。日本のハードボイルド小説の先駆者となる。幻想派SF小説、ジャズ小説など、多彩な執筆分野とジャズのフィーリングを持つ作家として特異な存在。

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