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右から読んでも左から読んでも「きげきひきげき」――アルコール浸りの落ちぶれ奇術師七郎は、動く一大娯楽場〈ウコン号〉の処女航海で冴えない腕前を披露することになった。紹介されたアシスタントを伴い埠頭に着いたところが、出航前から船内は何やら不穏なムードに満ちている。案の定というべきか、初日直前の船内で連続殺人の騒動が持ち上がり、犠牲者には奇妙な共通点が見出され……。章題はすべて回文、「台風とうとう吹いた。」の一文で始まる、奇抜な謎とぺてんの楽しさてんこ盛りの本格長編ミステリ。言葉遊びへの造詣こよなく深いミステリ界の魔術師泡坂妻夫が物した、他の追随を許さない会心作。/作者のことば=泡坂妻夫、解説=新保博久
...続きを読むPosted by ブクログ 2010年06月08日
この作品のおかげで回文にハマった人はどのくらいいるのだろうか。少なくても私の周囲は、泡坂妻夫の名前が出る度に回文が蔓延した。しかし、どんなにすばらしい回文ができようと、この作品には及ばない。
回文だけではなくミステリについてこれほど味わいのある作品はそうはないだろう。
もう、この作者の新作が読めない...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年08月18日
これはおもしろかった。
内容も内容で面白かったけれどそれ以上に言葉の遊び方に感動した。こういう風な文章を書く方っていうのは語彙力が凄まじいんだろうなぁ。
ちなみにこの小説、タイトルや小見出しだけでなく書き出しと結びの一文も回文になってます。すごいな!
概略
アルコール浸りの落ちぶれ奇術師七郎は、動...続きを読む
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