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急死した大富豪の金庫に隠されたDVDに収められていたのは、若い男の処刑場面だった。男たちの歌声が響き、黒い袋が投げ渡される。中身を見た若者が駆け出し、ライフルの銃声が――人間を獲物にしたハンティングなのか? DVDを見つけた娘はミケールに真相究明を依頼する。彼はわずかな手がかりを追うが、その調査が元軍人の奇妙な死を追う女性刑事の捜査と交差した時、事態は急速に動きはじめた! デンマークの気鋭が放つ強烈無比なスリラー。
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Posted by ブクログ
デンマークの作家「シュテフェン・ヤコブセン」の長篇ミステリ作品『氷雪のマンハント(原題:TROFA)』を読みました。 「ユッシ・エーズラ・オールスン」の『特捜部Q ―吊された少女―』に続きデンマークの作品… 引き続き北欧ミステリが続いています。 -----story------------- 【...続きを読むデンマークの気鋭が放つ強烈無比なスリラー】 急死した大富豪の金庫に隠されたDVDに収められていたのは、若い男の処刑場面だった。 男たちの歌声が響き、黒い袋が投げ渡される。 中身を見た若者が駆け出し、ライフルの銃声が響く――人間を獲物にしたハンティングなのか? DVDを見つけた大富豪の娘は、プロ調査員の「ミケール」に真相究明を依頼する。 彼はわずかな手がかりを追うが、その調査が元軍人の奇妙な死を追う女性刑事の捜査と交差した時、事態は急速に動きはじめた! ----------------------- 整形外科医でもある「シュテフェン・ヤコブセン」が2013年(平成25年)に発表した第4作目の作品で、警備コンサルタントの「ミケール・サンダ」とデンマーク国家警察警視の「リーネ・イェンスン」が活躍する最初の作品、、、 期せずしてコンビを組むことになった二人は、次の作品でも活躍しているようです… シリーズ化されるかもしれませんね。 2011年(平成23年)3月、デンマーク在住の「カスパ・ハンスン」と、その妻「イングリ・スンツボ」が、ノルウェーの最北部に位置するフィンマルク県でキャンプをしていた… ノルウェー人の「イングリ」が久しく訪れていなかった北部山地の風景を恋しがり、デンマーク人の夫とともにやってきたのだ、、、 だが、夫妻はある集団に拉致され、狩りの標的とされてしまう… 2年後の4月のある日、警備コンサルタントという肩書で、いわゆる私立探偵を生業としている「ミケール・サンダ」は、コペンハーゲンに住む資産家の娘「イリサベト・カスパスン=ベーンケ」から、ある調査を依頼される。 最高裁の弁護士を務めている彼女は、企業家として財を成した亡き父の遺品を整理している際に、おぞましい人間狩りの模様を収めたDVDを発見し、父がその非道な行為に加担していたのかどうか、犠牲者となった若い男性がどこのだれなのか、狩猟者たちが何者かを突き止めてほしいのだという… 犠牲者を追い詰めた狩猟者たちが口にした歌から、彼らが元兵士だと推測した「ミケール」は、高額の報酬にも惹かれ、調査を引き受ける、、、 同じ頃、デンマーク国家警察の女性警視「リーネ・イェンスン」は、元兵士で大工の「キム・アナスン」が結婚式の翌日に首を吊って死んだ事件の捜査に着手していた… だがすぐに、「アナスン」の死は自殺で、遺体を発見した妻の「ルイーセ」が他殺に見えるように細工したことが判明する。 「ルイーセ」は生前の夫の不可解な行動の数々に不審を抱き、彼が何らかの犯罪に手を染めていたのではないかと不安を覚え、警察が捜査するように仕向けていたのだ… 「リーネ」は、自殺案件として表向きは捜査を終了する一方で、上司である「シャロデ・ファルスタ警視正」の許可を取り付け、「アナスン」の死の真相を単独で調べることにする、、、 「ミケール」と「リーネ」の動きを察知した犯行グループは、「ミケール」を滞在先のホテルで襲い、暴行したうえに証拠物件等を強奪するとともに、「リーネ」の娘「ヨセフィーネ」を拉致して拷問したうえに「リーネ」を暴行し、調査を阻害しようとする… それぞれ単独で調査を進める中で暴行を受け負傷した「ミケール」と「リーネ」は、凶悪な敵に立ち向かうため協力し合うことになる。 「アナスン」のコテージに身を潜め反撃の準備を進める二人だったが、犯行グループの目を欺くことはできず、コテージは急襲され火を放たれる… 火傷を負いながら、協力し合って窮地を脱出した二人は、犯行グループとの対決のため、人間狩りの現場となったノルウェーの最北部に位置するフィンマルク県のポルサンゲル・フィヨルドに向かう、、、 そして、人間狩りをしていた集団の正体や、彼らが行っていたその他の悪事が明らかになり、普段はそれぞれ一匹狼として行動している「ミケール」と「リーネ」は、北極圏を舞台に、ぶつかり合いながら、相互理解を深め、助け合いながら、犯行グループに立ち向かって行く… しかし、二人は犯行グループの生き残り「ヴィクトール・シュミット」と「ヘンリケ」の父子、そして「トマス・ベアウ」の三人に追い詰められ絶体絶命の状態に追い込まれる。 冒険サスペンスとして愉しめました… 最後に「ミケール」と「リーネ」を救ってくれた人物は、終盤までの展開や残る登場人物から、ある程度、想定できる人物でしたが、、、 それよりも何よりも、ホントに腹黒い奴は誰かというと… 捜査を依頼した人物だったんですかねぇ。 この二人のコンビの活躍を、もっと読んでみたいですね… 続篇も翻訳されることを期待したいと思います、、、 デンマークの作品ですが… 「ミケール」の読んでいる本がノルウェーの作家「ジョー・ネスボ」のミステリだったり、「リーネ」の好きな映画がスウェーデンの女優「イングリッド・バーグマン」主演で「アルフレッド・ヒッチコック監督」作品の『汚名』だったりと、デンマークではない、他の北欧諸国の作家や女優が扱われているのは、ちょっと意外でしたね。 以下、主な登場人物です。 「ミケール・サンダ」 警備コンサルタント 「サラ」 ミケールの妻 「キース・マロリー」 ミケールの親友 「イリサベト・カスパスン=ベーンケ」 ミケールの依頼人 「フレミング・カスパスン」 ソナーテック社の創業者。イリサベトの父 「ヴィクトール・シュミット」 ソナーテック社の取締役会長代理 「ヘンリケ」 ソナーテック社の販売担当重役。ヴィクトールの息子 「ヤコブ」 ヴィクトールの息子。ヘンリケの兄 「モニカ」 ヴィクトールの妻 「キム・アナスン」 退役軍人。大工 「ルイーセ」 キム・アナスンの妻 「アラン・ロンクヴィスト」 退役軍人。養蜂家 「リーネ・イェンスン」 デンマーク国家警察警視 「ヨセフィーネ」 リーネの娘 「シャロデ・ファルスタ」 デンマーク国家警察警視正
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