障害者の読書と電子書籍~見えない、見えにくい人の「読む権利」を求めて~

障害者の読書と電子書籍~見えない、見えにくい人の「読む権利」を求めて~

電子書籍は障害者の読書をどう変えるか。

本書では、まず視覚障害者の読書環境の実態と、電子書籍の普及がそれをどう変えていくのかについて述べていきます。
電子書籍のネット書店、ソフトウェア、機器の普及が進んでいます。読書環境は大きく変化してきています。
視覚障害者の世界では、以前より全視情協が提供するサピエというウェブサービスを通じて、点字データやデイジーと呼ばれるデジタル録音図書にアクセスして読書をするという環境がありました。しかし、サピエには十数万のデータが揃っているとはいえ、晴眼者が利用できる本の数に比べれば、ごく一部に過ぎません。
電子書籍の普及のスピードはめざましく、紙の単行本が発行されると同時に電子書籍を利用できる状況になりつつあります。これにより、視覚障害者の読書環境にも大きな変化がもたらされるのではと期待されています。
これからの電子書籍がどうあれば、視覚障害者によりよい読書環境を提供できるのかを、機器環境や仕様の問題だけでなく、出版社と著者との関係、法整備の問題にまで踏み込んで提言をしています。

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