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地震学者は、目に見えない「地下」の動きを研究するのに対して、測量学の権威である著者は、人工衛星で測定した「地表の動きを記録した数値データ」を根拠とする、独自の地震予測法を開発した。そして、メルマガ発行を開始した2013年以来、伊予灘地震、伊豆大島沖地震、飛騨地方群発地震など震度5以上の地震を確実に“予測”し、警告を発してきた。画期的な地震予測のメカニズムが、本書で余すところなく明かされる!
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Posted by ブクログ
地球の表面は絶えず上下左右に微妙な動きを続けている。測量学の専門家である村井氏が同じく航空測量学の専門家の荒井氏に誘われGPSを用いた地震予知の研究を始めたのが2002年ごろ、日本に1300ヶ所ある電子基準点のGPSデータが一般公開された頃だった。北極と南極を結ぶ自転軸をZ軸とし赤道上で直行するX軸...続きを読むとY軸で地球の中心を基準とした座標を表す。この方法で地表の動きを記録し続けたところが2003年の十勝沖地震の時に明らかな前兆現象が見られたのだ。 しかし、特許を取ろうとすると座標の面積の反転現象は井戸水の水位の反転現象が知られていると拒絶され、そもそも「三角網を使った地震予測など誰でも考えられる」という拒絶を受けた。地表で行う三角測量とGPSを使った絶対座標を一緒くたにされてしまっている。また、地震学会も冷ややかでどうも審査官が地震の専門家だったようだ。自分たちもできていない地震予測の特許を門外漢に取らせたくないということか。 昔から週刊誌に時々のる何年後に地震が起こる確率何%と言うのは「グーテンベルグ・リヒター則」と言うのが元になっている。小さな地震が起こる確率と、大きな地震が起こる確率の比は常に一定だと言う経験則からきており、小さな地震が続くと大地震の確率が高まる。まあこれでは意味のある予測にはなりそうもない。 ようやく取れた村井氏の特許を用いた研究は元教え子が勤めていた電力会社で2007年から3年間の実証研究として実施された。その結果2000年から07年までの8年間、日本と近海で起きたマグニチュード6以上の地震162回を全て調べた結果全ての地震に前兆現象が見られたのだ。そして3・11についても村井氏は1ヶ月前に前兆に気がついていたという。前兆現象があっただけでなく東北地方の太平洋沿岸のかなり広い地域で日本海溝に向けての変位が閾値を超えていたのだ。 しかし村井氏がアドバイザーを務める会社の親会社は公表を禁じた。外れれば会社は信用を失うし、公表自体がパニックを呼ぶかもしれない。それでも発表すべきだったというのが村井氏の後悔になっている。 東日本大震災の後でも日本地震学会は「地震の予知は現時点では非常に困難」と宣言し役所も地震予測はしても良いが「役所としては民間人の予測は占いとして扱う」と言った。転機になったのは2014年3月9日のMr.サンデーに出演し、南海地方に3月末までに来ますと明言し、5日後に伊予灘でマグニチュード6.2の地震が発生したことだ。 村井氏のメルマガ「週刊MEGA地震予測」の読者は一気に増えたが果たして役所や電気会社はこの予測を元にして方針を変えることは出来るのだろうか。地震の前後で地面がどう動いたか、普通に考えれば地震との相関はあるに決まっている。予測の精度を上げるのはまだまだ難しいことがあるのだろうが。しかし例えば東日本大震災と同じような前兆現象や座標の変位があったとしたら無視できるものではない。
測量工学の専門家による、工学的研究に基づいた地震予測に関する著作です。地震学、地球物理学の専門家とは異なる、工学的視点での取り組みによる地震予測の体系を研究され実績を上げられています。本来本研究等は公的機関が予算を持って行うべき案件のようにも感じますが、役所の判断としては、【占い】扱いとのことで、そ...続きを読むの辺りに日本の官僚の限界を感じてしまうのは私だけでしょうか?何れにしろ村井先生のような在野の研究者による事実についても、正当な評価が得られる世であってほしいと感じ、細やかながら応援したいと感じました。
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