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バブル崩壊後のニッポンはモノづくり大国といわれながらも、製造のメインは賃金の安い中国やアジアへと移ってしまった。いわゆる製造業の空洞化である。工都として発展してきた川崎市はその影響をモロに受け、不況の波にのまれていた。「どうにかしなければいけない」そんな声に応えるべく、川崎市役所内に立ち上がったのが「ものづくり機能空洞化対策研究会」である。週1回朝7時からの会議は800回を超え、川崎市の製造業の発展を討論してきた。彼らは徹底した現場主義を貫き、個々の企業の声に耳を傾けた。そして企業と企業、企業と銀行、または企業と大学などを連携させ、大きなネットワークを形成するに至った。そしてそれが大きなムーブメントをつくり、徐々に活気を取り戻していった。そしてモノづくりの町・川崎は復活したのである。この川崎モデルの成功は、日本の他の自治体をはじめ、国の機関や海外の自治体、マスメディアなども多く、川崎に視察にきているほどだ。ではなぜ、川崎モデルは成功したのか? それは公務員としては異例である、「密着」「おせっかい」「キャラバン隊」という戦略だった。彼らは川崎の企業がよくなるのを待つのではなく、自ら率先して川崎市の経済を活性させるために立ち上がったのである。本書は、川崎市の中小企業経営者や銀行員たちへの取材から、川崎モデルを推進しているメンバーの奮闘を描いたノンフィクションビジネス本。
...続きを読むPosted by ブクログ 2014年09月21日
川崎市役所の職員のアイデアが市内外を問わず、中小企業の技術やものづくりを取り上げ支援し、拡散して地域にも還元していくであろう実例集。
あまりにもさらっと読んでしまったので、再読が必要。
産業振興推進に市がこんなに関与していたとは、市民なのに知らなかった。継続しているというのがさらに素晴らしい。
やっ...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年01月22日
川崎市は、派手な横浜市の陰で、地味な印象があるが、いぶし銀の政策を立案することで知られており、その一つが、「川崎モデル」と呼ばれる中小企業支援モデルである。
この本の著者は、田坂広志とともにソフィアバンク代表を務める藤沢久美氏である。
川崎モデルの中小企業支援には、四者が登場する。川崎市役所と川崎...続きを読む
Posted by ブクログ 2015年08月02日
上司から勧められて読んだ一冊。
川崎市における中小企業支援の成功例を取り扱っています。レビューでは、意見が大きく分かれているようですが、確かに、川崎市が他の自治体より熱心にこの分野に取り組んでおり、確かに一自治体でここまでなかなかできないなと思う反面、このモデルが数人のキー人材に注目されすぎており、...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年07月13日
少し現場を離れて現場が見えなくなっているところでこの本を手に取った。ここに登場する市役所職員は、できないではなくできるようにするにはといった常に前向きな方々である。今の自分にとって少し見えなくて忘れかけていた現場主義をあらためて思い出すことができた。自分はそっちの人間、もう一度見つめ直して今を過ごし...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年06月23日
そもそも前提として、川崎モデルが成功しているのかどうかが本書の内容だけでは判断しづらいところがあるのだが(何をもって成功と言っているのかが不明確でミクロな事例しか出てこない)、地方公務員として、こういう現場主義でかつフットワークの軽い働き方をしてみたいなとは思わせられた。若手勉強会が「川崎モデル」の...続きを読む
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